α-カテニンのアミノ末端側領域(アミノ酸番号48-163)にβ-カテニンあるいはプラコグロビンがcompetitiveに結合する。一方、GSTとのfusion proteinとしてGST/α-カテニン(アミノ酸番号1-906)、GST/α-カテニン(アミノ酸番号301-906)およびGST/α-カテニン(アミノ酸番号671-906)をバクテリアにて発現精製後、それぞれのタンパク質とF-アクチンをインキュベーションしF-アクチンとの結合をco-precipitation assayにて判定したところ、α-カテニンのカルボキシル末端側領域(アミノ酸番号671-906)はF-アクチンとGST/α-カテニン(アミノ酸番号1-906)やGST/α-カテニン(アミノ酸番号301-906)よりも強い結合を示すことが明確となった。定量解析より、α-カテニンのアミノ酸番号301-906からなる領域のF-アクチン結合力は、カルボキシル末端側領域(アミノ酸番号671-906)の約3分の1である事も示された。さらにα-カテニンの中央領域(アミノ酸番号301-540)とも相互作用(分子内結合)しうる事が明らかとなっている。また多くのF-アクチン結合タンパク質と同様にin vitroの実験系でPIP_2がα-カテニンのカルボキシル末端側領域に結合することが明らかとなった。次に、以上の結果を踏まえ、α-カテニンのF-アクチン結合力へのPIP_2の関与を調べてみたところ、preliminaryではあるが、PIP_2をインキュベーション溶液に加えることによりF-アクチンとco-precipitationされるα-カテニンの量が増加することが示された。その機序の可能性として、PIP_2がα-カテニンのカルボキシル末端側領域に結合することによりα-カテニンの中央領域(アミノ酸番号301-540)とカルボキシル末端側領域の相互作用(分子内結合)が阻害され、カルボキシル末端側領域のF-アクチン結合領域がopenとなった結果、F-アクチンとα-カテニンとの結合が強くなるものと現在のところ考察している。
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