研究課題/領域番号 |
09670147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和泉 孝志 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70232361)
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研究分担者 |
粂 和彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30251218)
清水 孝雄 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80127092)
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キーワード | LTB4受容体 / クローニング / LTD4受容体 / THP-1細胞 / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
プロスタグランジン(PG)、ロイコトリエン(LT)、血小板活性化因子(PAF)などの生理活性脂質は炎症、免疫、アレルギー反応の重要なメディエーターと考えられており、細胞膜に存在する特異的な受容体を介してその作用を発現する。種々のPG類の受容体やPAF受容体はすでにcDNAクローニングされ、分子生物学的な手法を用いた解析が進んでいる。しかしLT類の受容体のクローニングはなされておらず、その機能の解明は遅れていた。今年度の本研究では以下の研究実績をあげることができた。 1 LT受容体のcDNAクローニング (1)OH-LTR(LTB_4受容体)のクローニング HL-60細胞におけるOH-LTRの誘導現象を用いてDifferential Display法によるクローニングを試み、成功した。LTB_4受容体は7回膜貫通型の受容体であり、Gタンパク質に共役していた。CHO細胞に導入したところLTB_4対する非常に強いケモタキシスが観察された。現在、ゲノムDNAの解析、ノックアウトマウスの作成を行っている。 (2)Cys-LTR1(LTD_4受容体)のクローニング モルモット肺およびTHP-1細胞より作成したcDNAライブラリーを用いて、COS-7細胞にタンパク質をMicro Plate(96well)上に一過性に発現させ、放射標識リガンドや細胞内カルシウム上昇反応を用いた発現クローニングを試みているところである。 2 LT受容体を介する細胞内情報伝達の解明 マクロファージ系の培養細胞(THP-1細胞)ではLTD_4刺激に対して細胞内カルシウムの上昇を認め、アラキドン酸の放出を認めた。細胞内情報伝達系の鍵を担う分子の一つであるMAPKの活性化機構を検討し、PKCα-Raf-1依存性の経路の存在を証明した。
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