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1997 年度 実績報告書

内因性カンナビノイド受容体リガンドのアナンダミドの加水分解酵素の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670157
研究種目

基盤研究(C)

研究機関徳島大学

研究代表者

上田 夏生  徳島大学, 医学部, 助教授 (20193807)

キーワードカンナビノイド / マリファナ / アナンダミド / アラキドン酸 / 加水分解酵素 / エタノールアミン
研究概要

カンナビノイド受容体の内因性リガンドのアナンダミド(アラキドニルエタノールアミド)は、酵素的にアラキドン酸とエタノールアミンに加水分解されてその生物活性を失う。最近Cravattらによってラット肝からcDNAクローニングの行われた脂肪酸アミド加水分解酵素は、アナンダミドと高い反応性を示すことから、私達が以前から研究を進めてきたアナンダミド加水分解酵素と同一蛋白であると考えられた。そこで、この酵素をCOS-7細胞で過剰発現させて、酵素学的性質を検討した。酵素を過剰発現させた細胞を破砕して、遠心分離により顆粒画分を調製し、酵素標品として使用した。酵素を^<14>C標識アナンダミドと反応させて、生成物を薄層クロマトグラフィーにより分離すると、アラキドン酸の生成が認められた。この加水分解反応の比活性は約140nmol/min/mg蛋白であり、アナンダミドに対するKm値は18μMであった。エタノールアミン存在下に^<14>C標識アラキドン酸と反応させた場合には、アナンダミドの合成が見られた。この脱水縮合反応の比活性は約200nmol/min/mg蛋白であり、アラキドン酸に対するKm値は190μM、エタノールアミンに対するKm値は36mMであった。アナンダミドの加水分解反応と合成反応は、コントロールのCOS-7細胞では認められなかった。以上の結果より、私達が以前にブタ脳の酵素を用いて示唆した、アナンダミド加水分解反応の可逆性が、本研究により実証された。しかしながら、エタノールアミンに対する高いKm値を考えると、酵素は生理的条件下では、アナンダミド合成酵素としてではなく、加水分解酵素として働いているものと考えられた。また、同じ酵素はオレイン酸アミドやアラキドン酸アミドのような脂肪酸アミドや、アラキドン酸メチルエステルともよく反応し、広い基質特異性を示すことが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Katayama: "Distribution of anandamide amidohydrolase in rat tissues with special reference to small intestine" Biochim.Biophys.Acta. 1347. 212-218 (1997)

  • [文献書誌] S.Matsuda: "Metabolism of anandamide,an endogenous cannabinoid receptor ligand,in porcine ocular tissues" Exp.Eye Res.64. 707-711 (1997)

  • [文献書誌] L.De Petrocellis: "Novel inhibitors of brain,neuronal,and basophilic anandamide amidohydrolase" Biochem.Biophys.Res.Commun.231. 82-88 (1997)

  • [文献書誌] Y.Mikawa: "Ocular activity of topically administered anandamide in the rabbit" Jpn.J.Ophthalmol.41. 217-220 (1997)

  • [文献書誌] Y.Kurahashi: "Reversible hydrolysis and synthesis of anandamide demonstrated by recombinant rat fatty-acid amide hydrolase" Biochem.Biophys.Res.Commun.237. 512-515 (1997)

  • [文献書誌] 上田 夏生: "カンナビノイド受容体とアナンダミド" 現代医療. 29. 455-472 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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