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1998 年度 実績報告書

シアリルルイス-X(sLeX)構造による細胞接着制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 09670161
研究機関自治医科大学

研究代表者

中村 充  自治医科大学, 医学部, 講師 (20198237)

キーワードE-セレクチン / シリアルルイス-X / カウンターリガンド / 細胞接着
研究概要

細胞接着に与るセレクチンリガンド糖鎖として知られているシアリルルイス-X(sLeX)抗原は、ヒトプレB白血病細胞株をモデルとした遺伝子導入による人工的改変操作を用いて、コア2GlcNAc転移酵素遺広子(C2GnT)によって発現レベルが調節されていることが判明している。それを受けて本研究では次のことを明らかにした。
1. sLeX抗原が糖蛋白質であればどの蛋白にでも発現するのではなく、分子量150kDaの特定の糖蛋白(gp150)上に存在するO-グリコシド型の糖蛋白質性糖鎖末端にのみ発現し、gp150がE-セレクチンのカウンターリガンドとして機能していること。
2. ルシフェラーゼアッセイ,EMSA,RNA blottingによって本システムの律速酵素C2GnT発現の転写調節機構を解析し以下のことを明らかにした。
(1) 転写調節領域の三つのTATAボックスのうち、転写開始点に一番近い-182のTATAを含む部分欠失ミュータントが最も高いルシフエラーゼ活性を示した。
(2) C2GnT遺伝子発現細胞株は非発現細胞株の約十倍の一過性転写活性を示した。また細胞分化によりC2GnT遺伝子発現を抑制したところ、一過性転写活性が約十分の一に減少した。これらはC2GnT遺伝子のメッセージレベルの変化・C2GnT酵素活性・細胞表面sLeX抗原発現レベルの差または変化と極めてよく相関していた。
(3) GATA,NF-IL6,Splといった転写調節因子の結合領域が関与していた。
(4) GATA3,NF-IL6,C/EBPγ,Sp3,Sp4の発現レベルがC2GnT遺伝子発現レベルに呼応していた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nakamura,M.: "Single Glycosyltransferase,Core2β1→6N-Acetylglucosaminyltransferase,Regulates Cell Surface Sialyl-LeX Expression Level in Human Pre-B lymphocytic Leutemia Cell Line KM3" I.Biol.Chem.273. 26779-26789 (1998)

  • [文献書誌] Ishii,A.: "Expression Cloning and Functional Characterization of Human cDNA for Ganglioside GM3 Synthase" J.Biol.Chem.273. 31652-31655 (1998)

  • [文献書誌] Kudo,T.: "Up-regulation of a set of glycosyltransferase genes in human colorectal cancer" Lab.Invest. 78. 797-811 (1998)

  • [文献書誌] Nakamura,M.: "UDPGlcNAc:Galβ1→3GalNAc(GlcNAc to GalNAc)β1→6N-Acetylglucosaminyltransfevase Holds a Key Role on the Control of CD15s Expression in Human PreB Lymphoid Cell Lines" Glycobiology. 9. 1-12 (1999)

  • [文献書誌] Furukawa,Y.: "Transcriptlonal Regulation of the E2F-1 Gene by Interferon-α Mediated through Induction of E2F-4/pRB and E2F-4/p130 Complex" Oncogene. (in press). (1999)

  • [文献書誌] Yang,W.: "Two step Spreading Mode of Human Gliona Cells on Fibrin Monomer via β1Integrin" Thromb.Res.(in prss). (1999)

  • [文献書誌] 中村充(分担執筆): "糖鎖から見た造血幹細胞 In:造血幹細胞-分子から臨床まで" 南江堂(東京), 8,272 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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