研究課題/領域番号 |
09670165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
管野 仁 財)冲中記念成人病研究所, 専任研究員 (70221207)
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研究分担者 |
野口 民夫 名古屋大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70135721)
小泉 勤 福井医科大学, 動物実験施設, 助教授 (40126579)
三輪 史朗 財団法人冲中記念成人病研究所, 所長 (40034954)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 溶血性貧血 / 解糖系 / 疾患モデルマウス / 遺伝子治療 / 先天代謝異常 / 転写調節 / 細胞特量的発現 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
ヒトLR型ピルビン酸キナーゼ(PK)遺伝子の赤血球特異的転写調節部位の同定を目的として、K562細胞を用いてPK遺伝子上流域のDNaseI高感受性部位(HS)の検索を行なった。赤血球(R)型PK転写開始部位より約4kb上流(HS-I)と8kb上流(HS-II)の2カ所にHSをマップした。ヒト遺伝子ライブラリーより単離したPK遺伝子クローンよりHS-I部分の塩基配列を決定し、GATA、CACCCおよびNF-E4配列を同定した。このエレメントの機能を解析する目的でヒト赤血球型PKミニ遺伝子を構築したところ、HS-IおよびR-PKプロモーターの制御下において、ヒトPK遺伝子はトランスジェニックマウス赤血球に特異的発現を達成した。HS-IIには赤血球特異性および転写量を調節する機能は存在しないと結論した。HS-I/R-PKプロモーターによるPKトランスジェニックマウスでは、赤血球系細胞における転写レベルが低く、トランスジェニックマウス赤血球においてヒトR-PK活性は同定できなかった。PK異常症モデルであるPk-1^<slc>マウスに対するgenetic rescueの溶血性貧血に対する治療効果を検討するために、ヒトβグロビン遺伝子群の制御領域であるlocus control region(LCR)とR-PKプロモーターを用いてヒトR型PKを赤血球に高発現するトランスジェニックマウスを樹立した。μ′LCR断片(3.lkb)にヒトLR型PK遺伝子の5′-flanking regionとR-PKcDNA、3-flanking regionを結合したコンストラクトを構築し、トランスジェニックマウスを作製した。樹立したPKトランスジェニックマウス4系統のうち3系統で、赤血球PK活性が83-122IU/gHbと対照(41.6±5.8)のそれぞれ約2倍ないし3倍の活性を示した。赤血球溶血液を用いたPKアイソザイムの解析を行ない、赤血球に高発現したPK活性がヒトR型PKであることを確認した。一方肝臓、筋肉PK活性は対照と有意差が無かった。このPKトランスジェニックマウスにおいては、コピー数と赤血球PK活性の相関は認められず、μ′LCRはシスに結合した遺伝子のcopy number-dependent,position-independentな発現を規定するLCRとしての機能は果たさないものの、赤血球特異的エンハンサーとして機能したと考えられた。
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