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1998 年度 実績報告書

筋ジストロフィーの病態解釈を目的としたサルコグリカン複合体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670169
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

吉田 幹晴  国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (70111151)

研究分担者 桜井 総子  国立精神, 神経センター・神経研究所, COE研究員
キーワード筋ジストロフィー / サルコグリカン複合体 / ジストロフィン / DMD / SCARMD / ジストロフィン結合タンパク質
研究概要

ジストロフィン(DTN)・ジストロフィン結合タンパク質(DAP)複合体(DTN-DAP複合体を0.1MNaCl存在下で熱処理すると未知の成分が遊離してくることを、ゲルろ過と非変性下でのPAGEで観察した。その成分を様々な特異抗体を用いたイムノブロットで解析したところ、サルコグリカン複合体(SGC)各成分とジストログリカン複合体(DGC)各成分が検出され、DTNやシントロフィン(STN)、ジストロブレヴィン(DBN)といったDAPは検出されなかった。従ってSGCとDGCからなる複合体であることが明らかになった。25DAP、別名サルコスパン(SPN)もこの成分に検出されることがわかった。
DTN-DAP複合体の塩濃度を上げて同様の処理を試みた。すると新たな成分が遊離してきた。解析の結果、DGCは含まれておらず、SGCが主成分であった。他にSPNやSTN、そしてDBNも検出された。ゲルろ過パターンの検査から、これらが混入している疑いもあったのでSGC成分の特異抗体を用いた免疫沈降により同試料中のSGC精製を試みた。この処理によってSPNはSGC各成分と共に回収された。一方、STNとDBNはその含量が明らかに減少したものの、依然明確に検出されることがわかった。この結果から我々はSGCとSPNそしてSTN/DBNが結合していると判断した。こうしてSGCをとりまく構造が明らかになった。
このSGCとDTN(融合タンパク質)の結合を予想して詳細に検討したが、結果の再現性に問題があり、結合があるという結論は出せなかった。最近我々はSGC成分欠損マウスを作成することに成功したが、SGCの消失だけでなく、SPNの顕著な減少を観察した。本研究の結果はこれを説明することができる。今回見出された結合について各複合体のどの成分が直接関与するのか現在検討中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉田幹晴: "遺伝性筋疾患(Duchenne型およびDuchenne様筋ジストロフィー)" Molecular Medicine. 35巻臨時増刊号. 563-564 (1998)

  • [文献書誌] Ozawa,E.: "From dystrophinopathy to sarcoglycanopathy:evolution of a concept of muscular dystrophy" Muscle Nerve. 21. 421-438 (1998)

  • [文献書誌] Yoshida,M.: "The components of dystrophin-DAP complex that interact with the sarcoglycan complex" Muscle Nerve. Suppl.7/1998. S3-01 (1998)

  • [文献書誌] Yoshida,M.: "The forth component of the sarcoglycan complex" Febs.Lett.403. 143-148 (1997)

  • [文献書誌] 吉田幹晴: "サルコグリカン複合体第4の構成タンパク質" 生化学. 69.

  • [文献書誌] 607 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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