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1997 年度 実績報告書

炎症性腸疾患におけるマトリックス分解酵素の発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670174
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

大谷 明夫  東北大学, 医学部, 助教授 (30133987)

研究分担者 福島 浩平  東北大学, 医学部, 助手 (20271900)
キーワード炎症性腸疾患 / マトリックス分解酵素 / 免疫組織化学 / in situ ハイブリダイゼーション
研究概要

本年度は炎症性腸疾患の凍結標本(25例)を用いて、免疫組織化学,一部in situハイブリダイゼーション法(ISH)にて検討をすすめ以下の結果をえた。検討は潰瘍底(さらに炎症部とそのまわりの線維化反応部に細分)、活動性の炎症を伴う粘膜、炎症の寛解した領域の三者に分けて行った。各種細胞同定は以下の通りであった。MMP-1:線維芽細胞、MMP-2:線維芽細胞、MMP-8:好中球、MMP-9:マクロファージと好中球、MT1-MMP:マクロファージ、TIMPs-1,-2:線維芽細胞。その分布は以下の様であり、分布に著明な差があった。MMP-1,MMP-9,TIMP-1はいずれも潰瘍底の強い炎症巣にもっともつよい発現が見られた。これに対してMMP-2(mRNA)、TIMP-2はほぼ一致して潰瘍底周囲の活動性の線維化巣につよく発現した。そしてI型プロコラーゲンは両部位で発現が高度であった。潰瘍形成をともなわない粘膜炎症巣ではマトリックス分解酵素の発現はすくなかった。以上よりマトリックス合成と分解の相関を考慮すると、マトリックス分解酵素の発現は単に組織破壊に関与するのみならず、線維化をともなわないのが特徴である炎症巣の成立と、それに対する修復過程の双方に関与している事が推察された。また、同時に新鮮材料から上皮細胞と単核球とを分離して、ノーザンブロット解析で、MT1-MMP mRNAは炎症性細胞からもつよく発現していることをみている。これの確認もさらにおこないつつある。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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