研究課題/領域番号 |
09670177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三方 淳男 千葉大学, 医学部, 教授 (40051289)
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研究分担者 |
石井 源一郎 千葉大学, 医学部, 助手 (00270869)
田丸 淳一 千葉大学, 医学部, 講師 (30188429)
張ヶ谷 健一 千葉大学, 医学部, 助教授 (40101894)
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キーワード | 欠失LMP-1遺伝子 / ホジキン病 / EBV種地域差 / EBV関連胃癌 / bcl-2免疫染色 |
研究概要 |
ホジキン病の本邦例81例(千葉大40例、日大・松戸・千葉がんセンター計41例)およびネパール王国例8例について、LMP-1の発現を免疫組織学的に、EBVゲノムの存在をEBER-1のISH法にて検索した。本邦の81例では、EBER-1陽性は28例、34.6%、LMP-1陽性は25例30.9%であった。ネパールの8例中7例はEBER-1,LMP-1ともに陽性であった。本邦のLMP-1陽性例の15列、ネパールの全例について、LMP-1カルボキシ末端に近い10アミノ酸残基をコードする30塩基の欠失を検索した。同様の検索をEBV陽性胃癌(LMP-1陰性)についても検索した。 方法:パラフィン切片よりDNAを抽出し、上記欠失部を含むLMP-1の遺伝子の168 130番、168370番および168200番からの20塩基配列をプライマーとしたセミ・ネステッドPCRを行い、ポリアクリルアミド・ゲル上で泳動した。 LMP-1とbcl-2蛋白の発現の相関についても、免疫組織学的に検討した。結果:欠失LMP-1の場合は160bpに、正常LMP-1では190bpに明瞭なバンドがみられた。本邦の15例中5例、ネパールの8例中の4例に168256番から168285番の塩基欠失がみられた。塩基欠失とPCNA,Ki67、 bcl-2の免疫組織学的発現および臨床経過の関連につき検討中である。ホジキン病では、LMP-1がbcl-2の発現を誘導しRS細胞の腫瘍化に関与するとされているが、今回の検討では、LMP-1陽性11列中にbcl-2が免疫染色で陰性の例が5例、弱陽性が3例であり、LMP-1によりbcl-2の発現が増加する傾向はなかった。胃癌については、本邦のEBV陽性例3例中2例がLMP-1欠失遺伝子をもつEBVの感染であった。
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