研究課題/領域番号 |
09670177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石井 源一郎 千葉大学, 医学部, 助手 (00270869)
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研究分担者 |
張ヶ谷 健一 千葉大学, 医学部, 教授 (40101894)
田丸 淳一 千葉大学, 医学部, 講師 (30188429)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | Epstein-Barr virus / Latent memhranl protein-1 / Hodgkin′s disease / gastric carsinoma |
研究概要 |
EBウイルス陽性ホジキン病および胃癌における、LMP-1遺伝子C末端領域の遺伝子変異について解析を行った。日本におけるホジキン病では、ホジキン細胞の35%(14/40)がLMP-1陽性であり、そのうち83%(5/6)に遺伝子変異が認められた。同部をサブクローニングして遺伝子配列を決定した結果、全例にHuらが報告したC末端30bpの遺伝子欠損が見出された。 日本におけるEBウイルス陽性胃癌においては、約67%(2/3)にLMP-1遺伝子変異が認められ、変異遺伝子の配列は、ホジキン病において認められた異常(C末端30bPの欠損)と完全に一致していた。 東アジアの一国家・ネパール王国におけるホジキン病についても同様の検討を行った。ネパール王国におけるホジキン病では、ホジキン細胞のLMP-1陽性率(8/8、100%)は日本に較べて有意に高率であった(p<0.001)。LMP-1遺伝子の変異は、50%(4/8)において認められた。変異遺伝子の配列は、日本のホジキン病において見られた遺伝子欠損と完全に一致していた。 さらに、LMP-1遺伝子C末端領域欠損症例および非欠損症例における腫瘍細胞の形質を、増殖能あるいは癌遺伝子に着目して検討を行った。しかしながら、両者において、著明な差異は見られなかった。 以上のことから、本研究にて検出されたLMP-1遺伝子C末端領域の欠損は、腫瘍細胞の悪性化には影響を及ぼさない可能性が示唆された。さらには、東アジアであるネパール王国のEBウイルス陽性悪性腫瘍においても全く同様の遺伝子欠損が認められたことより、この遺伝子変異は地域特異性と相関している可能性も考えられた。
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