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1997 年度 実績報告書

類上皮血管内皮腫の病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670178
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

岡 輝明  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60177029)

研究分担者 青木 直人  東京都立衛生研究所毒性部病理研究科, 科長
森 正也  東京大学, 医学部, 助手 (90210137)
石田 剛  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40223002)
キーワード類上皮血管内皮腫
研究概要

類上皮血管内皮腫(epitheioid hemangioma,EH)は、かつて肺のintravascular bronchiolar,and alveolar tumor(IVBAT)と呼ばれた、特異な組織像の腫瘍で、肺以外に肝・軟部組織・骨などもに発生し、低悪性度の腫瘍と考えられている。しかし、EHの死亡例を検討したところ、経過中に高悪性度の腫瘍に進行した例が存在し、EHの生物学的態度を知るうえで重要と考えられた。検索対象は11例のEH(肝原発8例、肺原発3例)。一般にEHは長い経過を辿るが、死亡例の診断から死亡までの期間は平均で3年5カ月であるのに対し、生存例では6年9カ月であった。死亡例のうち、肝原発の2例は組織像の上ではとくに悪性度は増していないが、肝全体に腫瘍が広がったために肝不全を起こして死亡したものと考えられた。そのほかの死亡例は、いずれも初診断時の生検組織像と比べ、組織密度・核異型性ともに明らかに増していた。G_0期以外の細胞核に出現する核蛋白を認識する抗体MIB-1(増殖マーカー)のラベル率は上昇し、癌抑制遺伝子の一つであるp53の異常発現なども観察された。これらのうち2例は多形性が著しく増し、一見して高悪性度の肉腫の像を示していた。すなわち、EHは経過中に高悪性度肉腫にprogressすることがあり、必ずしも低悪性度の腫瘍ではないと考えるべきものと思われた。
アンケートによるEHの全国調査は平成9年度に実施する予定であったが、平成10年度に実施することとし、現在アンケート票を作成中である。この調査によって日本のEHの発生状況のおおよそが把握できるものと考えている。
なお、これまでEHはヒトにのみ発生する腫瘍と考えられてきたが、東京農工大学農学部獣医学科町田博士より寄せられたイヌの肺にも同様の腫瘍が観察された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岡 輝明: "Epithelioid hemangioendothelioma(類上皮血管内皮腫)" 病理と臨床. 14巻. 181-188 (1996)

  • [文献書誌] 岡 輝明: "類上皮血管内皮腫の死亡例の検討" 日本病理学会会誌. 86巻. 332 (1997)

  • [文献書誌] 岡 輝明: "肝臓の類上皮血管内皮腫の病理学的検討" 肝臓. 38巻補. 201 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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