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1998 年度 実績報告書

類上皮血管内皮腫の病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670178
研究機関東京大学

研究代表者

岡 輝明  東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60177029)

研究分担者 青木 直人  東京都衛生研究所毒性部病理研究科, 科長(研究職) (20159289)
森 正也  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90210137)
石田 剛  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223002)
キーワード類上皮血管内皮腫 / IVBAT / 肉腫
研究概要

類上皮血管内皮腫(epithelioid hemangioendothelioma,EH)は、intravascular bronchiolar,and alveolar tumor(lVBAT,1975)という名称の下に肺の固有の腫瘍として記載された。その後、EHは肺以外に軟部組織(Enzinger,1982)、肝臓(lshak,1984)、骨(Tsuneyoshi,1985)などにも発生することが知られるようになった.日本でのIVBATの最初の報告は1980年になされ(田口)、肝臓のEHについては我々が1983年にその存在を指摘した。今回の調査では肺原発と考えられる症例は14例、肝原発と考えられるものが25例、その他の臓器(皮膚、血管、多発)のものが3例であった。肺EHの男女比は1:1であったが、肝EHでは約1:2であり、肝のEHは女性に多い傾向がうかがわれた。診断時の平均年齢は、肺が36.8歳、肝が45.2歳であり、肝EHの方が約10歳年長であった。各々の死亡率は、、判明している範囲では、肺は45.4%、肝は39.1%であったが有為の差ではなかった。生存例の平均生存期間は、肺では20ヶ月、肝では26ヶ月であった。我々の経験した症例のように高悪性度の腫瘍に転化した症例があるのか否かについてははっきりしなかったが、胸膜や腹膜に播種を来したり、骨などに多発性の転移をしたものが7例あり、全体の約17%であった。
以上のことから、わが国のEHは肝臓原発の症例が肺原発より約2倍多く、肝のEHの方が約10歳年長であった。また、欧米では女性に多いとされるが、わが国の症例は全体としては著しい性差はなく、肝臓に限ってみれば女性が男性の約2倍であった。我々は従来から、この腫瘍が高悪性度の肉腫に転化する点に注目してきたが、今回の調査では約17%の症例がこのような高悪性度の腫瘍に転化した可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 岡 輝明 他: "びまん性肺疾患の胸腔鏡下生検診断" 日本胸部臨床. 57巻. 617-625 (1998)

  • [文献書誌] 岡 輝明 他: "肺の類上皮血管内皮腫の病理学的検討" 肺癌. 38巻. 589-589 (1998)

  • [文献書誌] 岡 輝明: "各領域における腫瘍と遺伝との関係.呼吸器科領域." Molecular Medicine. 別冊. 336-341 (1998)

  • [文献書誌] T.Oka,et al.: "Epithdioid homaugioendothclioma of the lung in a dog." J.Comp.Path.119. 317-322 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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