研究概要 |
研究代表者が樹立したヒトBリンパ腫培養株HBL-9のspontaneous apoptosisおよびanti-Fas-induced apoptosisにおけるcaspase阻害剤の効果とcaspase活性について検討した。その結果spontaneous apoptosisおよびanti-Fas-induced apoptosisはcaspase阻害剤(Z-Asp-CH_2-DCB,Z-VAD-FMK)で抑制されたが、caspase 1阻害剤(Ac-YVAD-CHO)あるいはcaspase 3阻害剤(Ac-DEVD-CHO,Ac-DMQD-CHO)では抑制されなかった。さらにanti-Fas-induced apoptosisはcaspase 8/6阻害剤(Ac-IETD-CHO)で抑制された。spontaneous apoptosisとanti-Fas-induced apoptosisにおけるcaspase活性の測定ではcaspase 1の活性は認められなかったが、caspase 3の活性は認められた。このcaspase 3の活性はcaspase 3阻害剤で抑制されたが、apoptosisは抑制されなかった。一方caspase阻害剤はcaspase 3の活性もapoptosisも抑制した。さらにanti-Fas-induced apoptosisではcaspase 8/6の活性とcaspase 6の活性が認められた。ウエスタンブロット法にて、anti-Fas-induced apoptosisではcaspase 3のcleavageproduct(17-KD)、caspase 2のcleavage product(12-KD)、PARPおよびlamin Bのcleavage productが認められた。これらの成績はspontaneous apoptosisおよびanti-Fas-induced apoptosisでは上流のcaspaseと下流のcaspase 3からなるcaspase cascade機構だけでなく、他のcaspase cascad機構が関与している可能性が示唆された。現在、このcaspase cascadeについて検討中である。
|