研究課題/領域番号 |
09670196
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
阿部 正文 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00045783)
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研究分担者 |
星 サユリ 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20285026)
小野 伸高 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80233584)
中村 直哉 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50227922)
橋本 優子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60305357)
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キーワード | アポトーシス / caspase / caspase cascade / ヒトBリンパ腫培養株 |
研究概要 |
最近研究代表者が樹立したヒトバーキット型リンパ腫培養株HBL-9は培養開始後36時間から著しいspontaneous apoptosisを起こす特異な培養株である。このHBL-9培養株のspontaneous apoptosisの分子機序を明らかにするため主としてWesten blot法を用いて検討した。 HBL-9細胞(培養時間0h、12h、24h、36h、48h)は、チトクロームC、Apaf-1、およびbcl-2ファミリーであるbcl-2、bcl-X_L、Bax、Badのいずれも発現していなかった。HBL-9細胞のapoptosisでは(培養時間36h、48h) capsase-2、caspase-3、caspase-7、caspase-8のcleaved productsが認められたが、capsase-1、caspase-4、caspase-6、caspase-9、caspase-10のcleaved productsは認められなかった。PARP、laminB、DFF45/ICADのcleaved productsが認められたが、lamin Aのcleaved productsは認められなかった。caspase阻害剤であるZ-VAD-FMKおよびAsp-CH2-DCBはcapsase-2、caspase-3、caspase-8、PARP、laminBのcleavageを完全に抑制した。 以上の結果から、HBL-9培養細胞株におけるspontaneous apoptosisでは、(1)bcl-2ファミリー分子→チトクロームC→Apaf-1→caspase-9の経過をたどるcaspase活性機構は関与していない可能性が高いこと、(2)capsase-2、caspase-3、caspase-7、caspase-8等の複数のcaspasesの活性化が関与していること、(3)caspases活性化に基づくPARP、lamin B、CAD/ICADの関与がみられること等が明らかにされた。またリンパ球系腫瘍のapoptosisにcaspase-2の活性化が関与している興味ある結果が得られた。さらに、これらcaspaseの制御には上流に位置するcaspaseあるいは分子の存在が示唆された。
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