研究課題/領域番号 |
09670205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中村 雅登 東海大学, 医学部, 講師 (00164335)
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研究分担者 |
鬼島 宏 東海大学, 医学部, 講師 (90204859)
山崎 等 東海大学, 医学部, 講師 (20191273)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 肺癌 / 抗癌剤多剤耐性 / MRP / 分子病理学 |
研究概要 |
本研究では独自で抗-多剤耐性関連タンパク質(MRP)抗体を作出し、これを用いて肺癌材料・大腸癌などの臨床材料の解析を進めた。MRPの細胞外ドメインの親水性残基配列から合成ペプチドを作成し、抗原とした。これらの抗原を家兎に免疫し、酵素標識免疫法により、血清の力価を検討し、高力価の抗MRP抗血清を作出した。さらに、MRP蛋白質の細胞外ドメインをコードするMRP-cDNAをPCR反応により増幅合成し、これを形質発現ベクターにサブクローニングし大腸菌にて発現、蛋白質を精製抗原としてポリクローナル抗体を作成した。合成ペプチドを用いた酵素標識免疫定量法によって抗体の特異性を確認し、肺癌材料その他の解析に供した。また、すでにMRP遺伝子の過剰発現の明らかな肺扁平上皮癌(NSCLC-SCC)材料より得られた可溶化蛋白質を用いてウェスタンブロット法によって、所定のサイズのMRPと反応することを確認中である。 上記で作出された抗MRP抗体を用いて、免疫組織化学的にMRP局在・発現を解析した。MRP遺伝子の過剰発現の明らかな非小細胞性肺癌-扁平上皮癌(NSCLC-SCC)材料・ホルマリン固定切片について光顕レベルで至適な免疫染色条件を決定した。NSCLC-SCCにおいてはMRPの過剰発現は予後不良患者と有意に相関した。また、免疫染色によってp53蛋白の変異・異常集積との関連を解析した。MRPの産生はp53蛋白集積細胞に認められた。MRPの過剰発現がp53遺伝子異常に関連していると考えられた。現在、4%パラホルムアルデヒド固定材料について電顕レベルの至適な免疫染色条件を決定中である。
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