OX40(CD134)は最初ラットT細胞活性化マーカーとして同定された分子で、遺伝子構造の解析によりtumor necrosis receptor(TNF)/nerve growth factor receptor(NGF)ファミリーと相同性をもつことが判明した。OX40の機能についてリンパ球を中心についえ検討されたが、これまで認識があやふやであった一般組織の発現を分子レベルで解析し、OX40の生物学的関わりを検討をしてきた。前年度では正常組織を中心に解析してきたが、本年度はさらに疾患を中心に解析した結果、成人心臓では発現が見られなかったにもかかわらず、心筋梗塞の傷害組織おいてその活性が認めた。心筋梗塞の診断的意味があるのではないかと考えられ現在検討中である。OX40のリガンド(OX40L)との関係では、TIG-2M(胎児筋由来)、TKS-1(カポジ肉腫由来)においてOX40Lの発現をみた、ことにTKS-1細胞ではOX40可溶性分子の添加により、IL-6、C-fos、C-junの活性が認めた。この現象は、HHV-8の感染細胞や感染経路を考える上でも興味あることで、現在解析を進めている。CD30分子シグナル伝達の解析とOX40のシグナル伝達の比較:OX40と同じTNF/NGFリセプターファミリーの一つであるCD30の細胞内領域のシグナル伝達を解析したところTRAF2、TRAF5が結合することが明らかになった、またこれらを介し、NF-kBを活性化することが明らかになった。OX40のシグナル伝達に関してCD30と類似性をしめし、TRAF2とTRAF5を介しNF-kBを活性化するととを示した。
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