本研究は、われわれの開発したSEー1抗体の認識する肝類洞内皮細胞特異的抗原を同定することにある。本年度は、そのために必要なSEー1抗体の精製を行った。 1.ハイブリドーマ3B8を大量に培養し、培養上清を硫安沈殿した。沈殿をbufferに対して析出、溶解した後プロテインAカラムによりIgG分画を精製した。さらに長期保存のため凍結乾燥して抗体の蛋白粉末とした。 2.ラット肝類洞内皮細胞の単離 ラット肝を37°C collagenase液で潅流し、得られた肝遊離細胞液をPercol密度勾配遠心を行い、肝類洞内皮細胞の単離を行った。単離した類洞内皮細胞分画を超音波破砕し、さらに遠心して得られた細胞膜分画をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動しイムノブロットを行った。その結果、精製SE‐1抗体は分子量約45kdの蛋白を認識することが確かめられた。
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