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1997 年度 実績報告書

創傷治癒・血管新生におけるマトリックスメタロプロテアーゼの役割

研究課題

研究課題/領域番号 09670220
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

岡田 明子  東京大学, 医科学研究所, 助手 (00233320)

キーワード創傷治癒 / 血管新生 / マトリックスメタロプロテアーゼ / ラット / 生理的インヒビター / 皮膚
研究概要

1.ラット皮膚創傷治癒過程におけるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)遺伝子の発現をノーザンブロットおよびin situ hybridization法で、また発現しているゼラチン分解能のある酵素の同定をザイモグラフィを用いて検討した。創傷治癒過程に発現した6つのMMP遺伝子のうち、膜型MMP1型(MT1-MMP)、ゼラチナーゼA、ストロメリシン3遺伝子は創傷間質、特に肉芽組織や瘢痕組織に発現し、発現の強弱に違いはあるものの、その時間的推移における発現パターン、発現場所は似ていた。ストロメリシン1、ゼラチナーゼB、コラゲナーゼ3遺伝子は創傷部に近い上皮基底細胞に主に発現し、創傷初期から強く発現しており、再上皮化が完了するとこれらの遺伝子の発現はみられなくなった。ゼラチン分解能のある酵素、ゼラチナーゼAおよびゼラチナーゼBのそれぞれの活性型の酵素はそれぞれMT1-MMP、ストロメリシン1遺伝子の発現パターンに類似して創傷部で同定された。
2.ラットMMPのリコンビナント酵素をCOS-1細胞に発現させ、それらの酵素の機能、MMP間の相互作用を検討したところ、MT1-MMPはゼラチナーゼAを、ストロメリシン1はゼラチナーゼBを活性化することが確認された。さらに、MMPの生理的インヒビターで、創傷治癒の過程で遺伝子発現が確認されたTIMP-1、-2、-3をそれぞれ共発現させてゼラチナーゼAおよびゼラチナーゼBの活性化におよぼす影響をみたところ、MT1-MMPによるゼラチナーゼAの活性化にTIMP-1は影響を及ぼさないが、ゼラチナーゼBの活性化は完全に抑制することがわかった。しかしながら、TIMP-1、-2、-3は創傷治癒過程でそれぞれ異なる発現パターンを示し、in vitroではほぼどのMMPの働きも抑制したが、in vivoでは異なる役割を担っていることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Akiko Okada: "Expression of matrix metalloproteinases during rat skin wound healing:evidence that membranetype-1.matrix metalloproteinase(MT1-MMP)is a stromal actiyator of pro-gelatinase A." J.Cell Biol.137. 67-77 (1997)

  • [文献書誌] Akiko Okada: "Rat stromelysin 3:cDNA cloning from skin healing wound,activation by furin,and expression in rat tissues." Gene. 185. 187-193 (1997)

  • [文献書誌] Paul Basset: "Matrix metalloproteinases as stromal effectors of human carcinoma progression:therapeutic implications." Matrix Biol.15. 535-541 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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