研究課題/領域番号 |
09670223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊國 伸哉 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90252460)
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研究分担者 |
日合 弘 京都大学, 医学研究科, 教授 (10073131)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | フリーラジカル / 酸化ストレス / 8-hydroxy-2^'-deoxyguanosine / 4-hydroxy-2-nanenal / モノクローナル抗体 / 発がん / 糖尿病 / p15・p16 |
研究概要 |
酸化ストレスの形態学的評価にはフリーラジカル反応によるcovalentな修復を受けた分子に対する抗体を作製するストラテジーが適切と考え、生体内においてどのような修飾分子の増加率が高いかを検討した。鉄ニトリロ三酢酸による腎尿細管傷害・腎発がんのモデルでは、腎近位尿細管でFenton-like reactionが発生する。上記モデルにおいて、DNA修飾塩基として8-hydroxy-2^'-deoxyguanosine(8-OHdG)、アルデヒド化合物として4-hydroxy-2-nanenal(HNE)の増加率が最も高いことを見いだした。アルデヒド化合物はフリーの状態では疎水性があり、パラフィン包埋の過程で流出し失われる。アルデヒド化合物が蛋白のアミノ酸残基と反応しマイケル反応産物を形成するという化学反応の解明が、抗体作成の過程で重要であった。上記のエピトープに対するポリクロナール。モノクロナール抗体を作製・評価を行った。これらの抗体を通常のパラフィン包埋に適応する方法を開発した。この方法により、糖尿病、虚血、再灌流モデル(肺、肝、皮弁)、砒素中毒症、大腸癌、C型肝炎、アルコール性肝炎などにおいて酸化ストレスが関与していることを証明した。 酸化ストレス発がんに標的となる遺伝子が存在するかどうかという問題に対して、candidate gene apprach、活性酸素代謝に関与する遺伝子の探索を行ってきたが、大きな成果は上がらなかった。しかし、F_1純系動物を使用したLOH解析により糸口をつかみ、p15/p16癌抑制遺伝子の異常が半数近い腫瘍で認められることを見いだした。少なくとも最終的なゲノムの異常に関しては標的となる遺伝子が存在することを初めて明らかにした。
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