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1997 年度 実績報告書

再生上皮由来副甲状腺ホルモン関連ペプタイドの遺伝子発現と分子病態

研究課題

研究課題/領域番号 09670228
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

伊東 正博  長崎大学, 医学部, 助教授 (30184691)

キーワードPTHrP / PTH / PTHrP受容体 / 再生上皮
研究概要

本研究の主目的は、(1)傷害粘膜治癒過程におけるPTHrPとPTH/PTHrP受容体を介した再生・分化誘導の遺伝子発現調節を明らかにすること。(2)PTHrPとPTH/PTHrP受容体のautocrine/paracrine機構についてその細胞内情報伝達経路を指標に解明すること。(3)PTHrPmRNAの転写調節に関わるpromoter部位の決定や発現ベクター導入による傷害粘膜治癒効果の判定にある。潰瘍治癒過程におけるPTHrPの発現は免疫組織化学、ISH、ノーザンブロットで観察しsense-、antisense-oligoPTHrPや発現ベクターの組織内導入は計画どおり実施できた。免疫染色でPTHrPの発現は再生上皮と肉芽組織内リンパ球に認められ、ISHでもPTHrPmRNAの発現同様の分布を示しPCNA陽性細胞近傍に局在していた。ノーザンブロットでは予想に反して初期の1-2週目ではむしろPTHrPmRNAの発現は低下していたが、これはPTHrPの局在が本来固有筋層に多く発現しているため潰瘍化による筋層欠損を単に反映しているとも解釈できる。ISHでmRNAの発現が再生粘膜に観察されていることから、この点に関しては今後定量的には粘膜層のみのサンプリングが必要。正常粘膜ではPTHrPは増殖帯近傍に発現しているが、BrDU取り込み細胞(S期)には発現が見られなかった。一方、PTHrP受容体は胃粘膜では増殖帯近傍の粘膜細胞に発現し最表層の分化した細胞では発現は消失している。これらのことからPTHrPとPTHrP受容体は胃粘膜の増殖と分化を制御していると思われる。sense-とantisensePTHrPをそれぞれの発現ベクターとともに経口投与し潰瘍治癒過程を観察したが、sense-PTHrPは明らかに治癒を遷延させた。これらの結果からPTHrPは増殖よりも初期の分化誘導に重要な役割を果たしていると思われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Ito et al.: "Gastric cancer associated with overexpression of parathyroid hormone-related peptide (PTHrP) and PTH/PTHrP receptor in relation to tumor progression." J Gastroenterol. 32. 396-400 (1997)

  • [文献書誌] GK.Alipov et al.: "Expression of parathyroid hormone-related peptide (PTHrP) in gastric tumors." J Pathol. 182. 174-179 (1997)

  • [文献書誌] 伊東 正博,他: "PTH/PTHrP受容体" 日本臨床. 55. 495-498 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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