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1997 年度 実績報告書

アポトーシス発現機序の分子病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670231
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大分医科大学

研究代表者

松浦 恵子  大分医科大学, 医学部, 助手 (00291542)

キーワードFas / 抗Fas / アポトーシス / P815 / セラマイド / トランスフェクション / 熱ショック / C-Jum
研究概要

1.FasTfマウス肥満細胞株P815(P815Fas)に及ぼす細胞周期および薬剤の作用機序検討:Fas遺伝子をP815細胞にTfしFasを強く表現するP815Fas細胞株を樹立した。P815Fas細胞は抗Fas抗体の刺激によりG2期の細胞が減少し、死細胞が増加する。Apo細胞はtime-dependentに増加し、2時間で40%に達する特有の性質を明らかにした。nocodazol(NZ)でP815Fas細胞を処理すると抗Fas抗体によるApoが阻止されることも確認した。しかし、bleomycin(BM)のApoではG2細胞の増加が起こり、NZにより阻止されないことも観察した。
2.P815Fasに及ぼすApo刺激条件の検討:BM(0.3U/ml)、抗Fas(Jo0.1μg/ml)、C2-ceramide(10μM in 0.5%FCS)menadione(5μM in 0.55%FCS)、熱ショック(45C 30min)、CCCP(50μM)、stauromycin(0.05μM)、genistein(10μg/ml)でApo誘導可能であることを明らかにした。
3.P815FasのApoに及ぼす諸因子の効果の検討:1)諸Tf細胞による抑制:APO抑制遺伝子bcl-2およびbclxL、p53のdominant negative mutant minip53,ストレス経路で最終的にc-Junの燐酸化に関与するSEKなどをP815Fas細胞にダブルTfし、stable cloneを樹立した。bcl-2およびbclxLでは抗Fas抗体におけるApoが全く阻止されないが、minip53ではG2細胞の減少は少なくなり、Apoは強く阻止される成績を得た。
2)ペプチド(P)による抑制:Z-VADで300μMおよびDEVDで300μM各3時間で抗FasにおけるApoが強く阻止されるが、YVADで600μM、3時間ではごく軽度の阻止に留まることを観察した。
3)P分解活性:抗Fas刺激ではDEVDの分解が強く起こるが、YVDAの分解は見られないこと、いっぽう、BMやCMでは分解活性が見られないことを確認した。
4)CPP32(apopain)の分解活性:抗Fas刺激とBMおよびCM刺激では前者が強い分解活性を示すが、後者には全く活性が見られない成績を得た。
5)C-Junの燐酸化:抗Fas刺激では燐酸化は殆ど見られないが、CMではとBMおよびCMや熱刺激では強い燐酸化が見られることを観察した。
6)p53、p21およびbclxの集積:抗Fas抗体刺激ではp53の変化は見られないこと、p21は減少し、bclxは増加すること、いっぽう、BMおよびCMでは抗Fas抗体刺激ではp53およびp21の増加が見られ、bclxには変化が見られないことを観察した。
4.イ-スト系における検討:bcl-2やICEが細胞周期やmutationに関与する可能性を検討するためにS.cervisiaeにbcl-2あるいはICEをTfし、0-12.5Kradのγ線照射によりG1,S,G2/M期の細胞数の割合を形態の違いで計数する。また、γ線照射により生じるmutationの頻度をminimal plate上のコロニーの数で比較中である。
5.その他:P815細胞にIPTG-inducibleな条件下にRb,アンチセンスRbを電気穿孔法でTfし、細胞増殖の違いやDNA傷害因子によるAPOの程度を検討中である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] 山本俊輔他: "LPS臓器障害とマクロファージ" 病理と臨床. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Kataoka,M.他: "Structure of the murine CD156 gene,characterization of its promoter" J.Biol.Chem.272(29). 18209-18215 (1997)

  • [文献書誌] Yoshiyama,K.他: "CD156(human ADAM8):expression,primary amino acid sequence,and" Genomics. 41(1). 56-62 (1997)

  • [文献書誌] Takai,N.他: "Primary structure of rat CD14 and characteristics of rat CD14,cytokine" J.Leuko.Biol.61(6). 736-744 (1997)

  • [文献書誌] Shinji,H.他: "Lipopolysaccharide-induced biphasic inositol 1,4,5-triphosphate response" J.Immunol.158(2). 1370-1376 (1997)

  • [文献書誌] 樋口安典他: "CD14トランスジェニックマウス" 臨床免疫. 29(11). 1345-1350 (1997)

  • [文献書誌] 山本俊輔他: "CD156(ADAM 8)の構造、機能およびファミリー" Molecular Medicine34(臨時増刊号)免疫1997-98. 148-162

  • [文献書誌] Rodoriguez,I.他: "Systemic injection of a tripeptide inhibits the the intracellular activation of" J.Exp.Med.184(11). 2067-2072 (1996)

  • [文献書誌] Rodoriguez,I.他: "A bcl-2 transgene in hypatocytes expressed in hepatocytes protects mice" J.Exp.Med.183(3). 1031-1036 (1996)

  • [文献書誌] 片岡晶志他: "エンドトキシン研究の動物モデル-エンドトキシン感受性亢進マウス" 菜根出版(印刷中), (1998)

  • [文献書誌] Yammoto,S.他: "Roles of CD14 in LPS signaling and scavenging:studies using CD14-" Weily-Liss(in press), (1998)

  • [文献書誌] Higuchi他: "MS2(ADAM 8)a myelomonocytic cell surface antigen:expression," Oxford Univ.Press(in press), (1998)

  • [文献書誌] Takai,N.他: "Structure of rat CD14,and expression of rat CD14 and cytokines" Oxford Univ.Press(in press), (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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