1.マウスES細胞を用いたin vtro神経系分化モデルの作成 未分化マウスES細胞を浮遊培養して形成されたembryoid bodyをその後接着培養を行い90%以上のembryoid bodyで神経系への分化が誘導される系を確立した。このembryoid bodyをトリプシンで分散し、短期間に神経細胞に分化し、かつマイクロインジェクションが可能な付着培養系を作成した。 2.In vitro神経系分化モデルにおけるギャップ結合細胞間コミュニケーションの測定 (1)神経上皮(A2B5陽性)の段階では、コロニー内に限局した活発なギャップ結合細胞間コミュニケーションがあり、神経系に分化する細胞群は、早期にコンパートメントを形成すること、 (2)神経細胞への分化に伴い、急速にコロニー内の細胞間コミュニケーション能が低下することを見い出した。神経への分化過程において、細胞間コミュニケーションが、神経系の初期分化に重要な役割を果たしている可能性を見い出した。 3.Dominant-negativeCx43発現ベクターの作成 変異Cx43-GFP融合蛋白発現ベクターを作成した。もともと野生型Cx43を発現しギャップ結合細胞間コミュニケーション機能の高い細胞に変異Cx43-GFP融合蛋白発現ベクターを導入し、野生型Cx43の機能をdominant-negativeに阻害することを確認した。 4.Cx43欠損ES細胞の分化とギャップ結合細胞間コミュニケーションの検討 ES細胞がin vitroで心筋細胞に分化する系で、細胞間コミュニケーションと発現するコネキシン遺伝子の種類を野生型ES細胞とCx43欠損ES細胞で比較した。Cx43欠損ES細胞は、細胞間コミュニケーションが非常に低下していたが、心筋へ分化する頻度や、発現している他のコネキシンのパターンは野生型とCx43欠損ES細胞で差が認められなかった。
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