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1998 年度 実績報告書

上皮細胞増殖因子ファミリーの肝細胞癌の発生及び進展機序への関与について-特に、ヘパリン結合性上皮細胞増殖因子について

研究課題

研究課題/領域番号 09670242
研究機関久留米大学

研究代表者

矢野 博久  久留米大学, 医学部, 講師 (40220206)

研究分担者 神代 正道  久留米大学, 医学部, 教授 (90080580)
小笠原 幸子  久留米大学, 医学部, 助手 (40258405)
家村 昭日朗  久留米大学, 医学部, 助手 (40212724)
キーワードヘパリン結合性上皮細胞増殖因子様増殖因子 / 肝細胞癌 / 上皮細胞増殖因子ファミリーオートクライン / パラクライン / 細胞株 / 免疫染色
研究概要

6種類の肝細胞癌細胞株における、ヘパリン結合性上皮細胞増殖因子様増殖因子(HB-EGF)を含む上皮細胞増殖因子(EGF)ファミリーと、その受容体であるEGF receptorの発現、及びそれらの機能に関して以下の結論を得た。肝細胞癌株では、1)EGFファミリーに属するある種の増殖因子とEGFRを介したオートクライン増殖機構の存在し、2)EGFファミリーの中でTGF.aの発現を最も高頻度に発現し、ある種の環境下では、TGF-aとEGFRを介したオートクライン機構が存在し、更に、3)EGF.HB-EGF.amphiregulin.TGF-aとEGFRを介したバラクライン機構が存在することが判明し、論文として報告した(参考論文1)。また、HB-EGFの核酸レベルでの発現及びその発現調節のメカニズムについては、現在も検討中であり、今後さらに細胞株の数を増やして検討を加える予定である。また、肝細胞癌組織中のHB-EGF及びHB-EGFのjuxtacrine機構を介した細胞増殖作用を増強するCD9の発現に関して免疫組織化学的に検討を行っている。HB-EGFに関しては、独自に作成したpolyclonal抗体を使用した。その結果、非癌部では、肝細胞と類洞壁細胞にその発現を認め、癌部でも同様、癌化した肝細胞と類洞壁細胞に発現を認めた。癌化にともない、肝実質細胞及び類洞壁細胞のHB-EGFの発現は増強する傾向を認めた。CD9の発現に関しては、癌部・非癌部ともに類洞壁細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞、胆管上皮に発現を認め、非癌部では、肝細胞の表面にその発現を確認している。癌部では、高分化型肝細胞癌では癌細胞に比較的高頻度(73%)に発現しているが、中分化型の肝細胞癌ではその頻度が低下した(14%)。HB-EGFとCD9は、高分化型肝細胞癌においては、共発現している可能性が示唆された。HB-EGFに関しては、さらに分化度の異なる肝細胞癌や良性病変などにおける発現を蛋白・核酸レベルで検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hisaka T,Yano H,et al.: "Expressions of epidermal growth factor family and its receptor in human hepatocellular carcinoma cell lines: Relationship to cell proliferation." Intemational Journal of Oncology. 14. 453-460 (1999)

  • [文献書誌] Haramaki M,Yano H,et al.: "CD9 reduces xenotransplantability of human hepatoma cells into nude mice." Hepatology. 28(4)-2. 513A (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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