1. 巨核球細胞株の樹立 巨核球細胞の分化の度合いと新規遺伝子の発現の関係を調べるために、白血病患者の骨髄標品および抹消血から分化度の異なる細胞株の樹立を試みた。培養樹立することに成功したCTS細胞は以前に樹立したCMK細胞より分化度の低い巨核球性細胞株であることが判明した。 2. 新規遺伝子の抗体の作成 以前作成したペプチドに対する抗体の抗原反応性が低いことが判明したので、本遺伝子の全長を大腸菌で発現させるためのプラスミッドベクターを構築した。現在、クローンの選択中である。この方法で発現したタンパクを免疫することにより作成されるポリクローナル抗体によって、抗原の検出が改善されることが期待される。 3. 新規遺伝子の組織特異的発現 われわれが巨核球性細胞CMKから単離した新規遺伝子産物はは骨髄や抹消血中での細胞の抗体染色から成熟巨核球と血小板および脱核前の網状赤血球に特異的に発現されていることが判明した。また、培養細胞では分化度の高いCMK細胞では発現が認められたが、分化度の低いCTS細胞では低かった。 4. 細胞内抗原の細胞内局在 新規遺伝子に対する抗体と反応する特異的な抗原の細胞内局在についてGM-CSF処理で分化誘導したCMK細胞と抹消血中の血小板および骨髄中の細胞を用いて顕微鏡下で検討を行った。細胞質が染色された。
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