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1998 年度 実績報告書

異種免疫系幹細胞の移植によるscidマウスの免疫系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 09670247
研究機関愛知県がんセンター

研究代表者

田口 修  愛知県がんセンター, 病理学第二部, 室長 (00142167)

キーワード胸腺 / 免疫系幹細胞 / 異種移植 / ヌードラット / scidマウス
研究概要

scidマウスはリンパ球の幹細胞に異常があるために、TおよびB細胞が形成されない免疫不全のマウスである。しかしながら胸腺上皮細胞は正常に発育している。このscidマウスにヌードラットの骨髄細胞を移植しておく (ラットBMTscidマウス)と、胸腺内にラット由来の胸腺リンパ球前駆細胞が進入してくる。そしてマウスの胸腺微小環境の元でラット胸腺リンパ球の表面抗原であるCD3、CD4、CD8やT細胞レセプターを発現するようになった。そして末梢リンパ臓器にもラット由来のT細胞が出現した。同時にラットのイムノグロブリンを産生するB細胞も出現した。これらのことはマウスの体内でラットの免疫系が十分発育し得ることを示している。ラットBMTscidマウスは異種の免疫系が体内にあるにも関わらず、自己免疫病に陥ることはなかった。
ラットBMTscidマウスの胸腺上皮細胞はマウスのIa抗原を発現している。この胸腺の髄質部位にはマウスとラットのIa抗原をそれぞれ発現している樹状細胞と考えられる細胞の集積がみられた。ラットBMTscidマウスに羊赤血球を注射して、PFC法で抗体産生能を検査すると反応は非常に弱かった。ラットBMTscidマウスの牌細胞をresponderとしてリンパ球混合培養を行っても第三者に対しての強い反応は見られなかった。卵白アルブミンをCFAとともにラットBMTscidマウスの後足に注射して、7日後に所属リンパ節を採取してT細胞を回収し、in vitroでAPCとともに再刺激をした場合には、強い反応がみられた。ただしscidマウスの胸腺で教育されたこのラット由来のT細胞は、ドナーラットのAPCではなく、ホストマウスと同系のAPCによる抗原の提示を受け入れ反応した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Igakura,T.et al: "A null mutation in basigin,an immunoglobulin superfamily member,indicates its important roles in peri-implantation development and spermataogenesis" Dev.Biol.194. 152-165 (1998)

  • [文献書誌] Takeuchi,M.et al: "Suppression of spontaneous uveoretinitis development by non-immunopathogenic peptide immunization" Eur.J.Immunol.28. 1578-1586 (1998)

  • [文献書誌] Ohno,K.et al: "Successful transfer of localized autoimmunity with positively selected CD4+cells to scid mice lacking functional B cells" Autoimmunity. (in press).

  • [文献書誌] Yasumura,M.et al: "Protective effects of 5,6,7,8-tetrahydroneopterin against X-ray radiation injury in mice" Biochim.Biophys.Act. (in press).

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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