研究課題/領域番号 |
09670248
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
稲田 健一 愛知県がんセンター, 病理学第一部, 主任研究員 (70246081)
|
研究分担者 |
渡邊 敦光 広島大学, 原爆放射能医学研究所・環境生物研究部門・環境変異研究分野, 教授 (00034653)
立松 正衛 愛知県がんセンター, 病理学第一部, 部長 (70117836)
|
キーワード | 凍結潰瘍 / カテコール / 腺管分離 / 腸上皮化生 / 胃粘膜再生 / キメラマウス / マイクロサテライト |
研究概要 |
本年度は当初の計画に従い、以下の実験を施行した。 1)胃粘膜傷害・再生モデルとして、以下の3つについて検討を加えている。 (A)凍結潰瘍モデル:ドライアイスアセトン中で冷却したスチール棒をマウス腺胃に接触させて凍結潰瘍、すなわち急性胃粘膜傷害を作製する実験モデルの確立。 (B)カテコール胃粘膜傷害モデル:カテコール含有食をマウスに投与し、慢性胃粘膜傷害を作製、経時的な腺胃粘膜の変化とカテコールの濃度との関連を検討した。さらに、、MNUでイニシエーションしたマウス胃粘膜に対する、カテコール傷害の濃度依存性の腺胃発癌プロモーション作用を明らかにした。 (C)放射線照射胃粘膜傷害モデル:現在ラットを用いた実験系で解析を進めており、検討が終了次第マウスを用いた実験を開始する予定である。 2)腺管分離法の確立 ヒト新鮮切除胃粘膜を用いて腺管分離の手技を確立・修得し、腸上皮化生腺管の検討を行った。現在は上記1)の各実験系における腺胃粘膜より腺管を分離し、様々な再生過程にある単一腺管の選別分離法を検討中である。 3)マイクロサテライトマーカーを用いたマウス系統および性の判定法の確立 DEN誘発キメラマウス(C3H⇔BALB/c)肝癌の腫瘍切片より抽出したDNAを用い、Y染色体上と常染色体上のマイクロサテライト(Sry7097、D3Mit21)に対するプライマーを設定し、PCRを施行した。C3HとBALB/cで増幅されるPCR産物の長さが異なることにより、両系統と性が識別可能となった。さらに、Y染色体特異的プローブY353/Bを用いたin situ hybridizationにより、組織切片上で細胞レベルで雄性細胞(XY)を同定する事が可能となった。消化管粘膜でも同様の染色が可能であるか、現在検討中である。
|