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1998 年度 実績報告書

寄生虫感染におけるTh2サプレッサー活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09670254
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

藤田 紘一郎  東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (90053107)

研究分担者 今井 伸二郎  日清製粉(株), 創薬研究所, 主任研究員
月舘 説子  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40121256)
赤尾 信明  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (00126559)
キーワード非特異的 IgE / Th2 / Dirofilariu immitis / サイトカイン / IL-10 / B1細胞
研究概要

昨年度は、寄生虫体より単離したIgE抗体誘導物質因子(DiAg)の解析を行ったが、今年度は昨年度のデーターをもとに、本因子がどのようなシグナル伝達分子を介してサイトカイン産生を行うかを検討した。IgE産生にはCD4+T細胞、活性化B細胞、抗原提示細胞が必要と考えられている。そこで我々は、マウスB細胞、T細胞などを用いてその増殖および活性化を各種マーカーにより確認した。
その結果、DiAg刺激によって、脾臓B細胞、腹腔B細胞、マウスBリンパ腫WEH123I細胞のいずれもIL-10産生が誘導された。脾臓B細胞については、mRNAの増加もDiAg刺激で確認された。しかし、培養上清中のIL-10の絶対量は腹腔B細胞で最も高く、これは腹腔B細胞のポピュレーションはBl細胞が、そして脾臓B細胞はB2細胞が主であるためと推定された。また、腹腔B細胞は活性化に近い状態にありDiAg、LPSなどの刺激に鋭敏であると考えられる。これらの事から、DiAgは腹腔B細胞などのB細胞を介して、IL-10の産生を促しTh2を誘導し、非特異的IgEの産生を促進しているものと思われた。
一方、活性化マウス脾臓T細胞、IL-2産生T細胞株であるJurkat細胞を用いて、DiAg刺激によってIL-2およびIL-10の産生への影響について検討した。その結果、T細胞に対するDiAgの作用は、T細胞が活性化されないと発揮されない事が判明した。また、Jurkat細胞はDiAg刺激でIL-2産生が増強された。この事からDiAgのサイトカイン増強作用はTh2細胞特異的な反応では無いと推論された。その他、DiAgの作用は多岐にわたってており、サイトカインが様々な細胞に作用する事と類似している。DiAgの作用はまさにサイトカイン様の働きであり、寄生虫サイトカインと呼んでも良い宿主免疫系変調因子であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Pan Y,Yamada S,Tsukidate S,Fujita K: "Increased susceptibility of BALB/C mice to infection with Brugia pahrngl when treated at an early stage with a single dose of carragecnan and promethazine" Parasitology International. 47(1). 1-9 (1998)

  • [文献書誌] 藤田 紘一郎: "アレルギーと寄生虫" Allergology(アレルギー科). 6(1). 49-53 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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