過去1年間に、旋毛虫(T.spiralis)と旋毛虫(T.pseudospiralis)の幼虫、新生児幼虫、成虫のcDNAライブラリーを完成させた。 この中でも特に幼虫のcDNAライブラリーを感染血清などを用いてイムノスクリーニングし、80を超えるクローンを選別した。これを発現ベクターに組み込み、現在のところ、4種のペプタイドの大量合成が可能となった。 このペプタイドに対する抗体を作成し、蛍光抗体法でペプタイドの虫体内における局在を検索した。かなりが食道腺顆粒に対応するものであった。ウエスタンブロッチングでは、排泄抗原に一致するものが多く、蛍光抗体法による所見と一致した。 そのクローンのcDNAの塩基配列を読み。既知の遺伝子とのホモロジー検索では、セリンプロテアーゼインヒビターとホモロジーが高いものがあった。また他家により報告されていた食道腺顆粒のcDNAとホモロジーが高いものもあった。 合成されたペプタイドの宿主生体への影響が調べられた。今回はサイトカシン産生に関して検討を加えた。ペプタイドを加え旋毛虫に感染後14日目の腸間リンパ節細胞を培養すると極めて強いIFNガンマとIL4の誘導能を示した。 感染後8日目では脾臓リンパ節細胞を培養すると極めて強いIFNガンマ誘導能を示した。また。腸間リンパ節細胞を培養すると軽度のIL4の誘導能を示した。
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