研究概要 |
本年度の研究活動は,(1)兵庫県下の公園砂場を対象とした犬・猫蛔虫卵ならびに大腸菌の汚染状況の比較と,(2)犬・猫蛔虫症に関する啓発活動の2点について行った。 (1)では兵庫県下の114ヶ所の砂場を調査し,その34ヵ所(30%)から犬・猫蛔虫卵を,120ヵ所(83%)から大腸菌を検出した。犬・猫蛔虫卵の汚染に関係する因子は,(1)小さな砂場,(2)小さな公園に併設された砂場,および(3)市街地の住宅密集地にある砂場,でありこれらの因子を多く有する砂場の汚染度が高かった。砂場用として使用予定の砂(対照)を検査したところ,犬・猫蛔虫卵は陰性であったものの,大腸菌は陽性であった。このことは砂場汚染の指標として大腸菌ではなく犬・猫蛔虫卵の有無を調べる方法が有効であることを示唆している。 (2)犬・猫蛔虫症の生物学ならびに診断・治療法等に関する啓発活動の一環としての解説書を記した。
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