研究課題/領域番号 |
09670258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
平井 和光 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093940)
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研究分担者 |
王 浩然 鳥取大学, 医学部, 助手 (80314574)
福本 宗嗣 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60111126)
佐藤 建三 鳥取大学, 医学部, 教授 (40113196)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 条虫 / マンソン裂頭条虫 / 生理活性物質 / 成長ホルモン / マクロファージ / サイトカイン / ケモカイン / TNF-α |
研究概要 |
1.マンソン裂頭条虫擬充尾虫が産生する成長ホルモン様因子のcDNAクローニングとその役割 擬充尾虫からmRNAを抽出し、vectorとしてpSPOTを、宿主細胞としてE.coli XL-1 blue株を用いてcDNA libraryを作成した。精製した成長ホルモン様因子(PGF)はcystein proteaseと高い相同性を有し、プロテアーゼ活性を示したので、その部分的アミノ酸配列と活性中心のアミノ酸配列をprobeとしてcDNAをクローニングした。得られたfull lengthのPGFcDNAは、1085bpであり、そのアミノ酸配列はマウスcathepsin-Lと65%の相同性を有していた。そして、PGFcDNAを用いてGST融合蛋白の作成を大腸菌、mouse 3Y1 fibroblast cellでの発現を試みたが、PGFmRNAの発現は認められたものの分泌蛋白としては産生しなかった。一方、本虫の蛋白分解酵素中にtrypsinn inhibitorが存在したのでこれを精製したところ、PGFであることが判明した。よってPGFの存在意義はproteaseとして抗体の切断、消化酵素の不活化であることが示唆された。 2.マンソン裂頭条虫擬充尾虫の培養上清のマウス腹腔マクロファージヘの影響 擬充尾虫の培養上清は、LPS刺激マウス腹腔マクロファージのiNOS,chemokine,JE遺伝子の発現を抑制し、さらにTNF-α遺伝子の発現も抑制することが示唆された。この因子をカラム・クロマトグラフィで分画すると94kDa以上の蛋白分子であることが推測された。 よって、当面成長ホルモン様因子-PCFの融合蛋白の作成及びマクロファージ抑制因子-エンドトキシン・ショック抑制因子-の精製とその分子生物学的特性の解明が早急の課題である。
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