研究課題/領域番号 |
09670273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
大友 弘士 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80072916)
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研究分担者 |
斉藤 三郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10186934)
片倉 賢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10130155)
渡辺 直熙 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00057019)
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キーワード | 寄生虫感染 / IgE / 好酸球 / 細胞間認識分子 / Nippostrongylus / 免疫療法 / T細胞活性化 |
研究概要 |
本研究は寄生虫感染に特徴的な免疫応答と感染防御の発現機構について、その中心的役割を果たすT細胞の機能分化に関与する細胞間認識分子を明らかにすることを目的として行われた。今年度は蠕虫感染におけるIgE産生の亢進と好酸球増多について検討した。とくにcostimulatory signalsとしてのCD80とCD86に注目して、これらに対するモノクローナル抗体を蠕虫感染マウスに投与することでその関与を明らかにすることを試みた。 Nippostrongylus感染マウスの1次免疫応答としてのIgE産生と好酸球増多では、CD80またはCD86のいずれかが関与すれば正常の反応が誘導される。CD80とCD86の両者の刺激を同時に阻害すると好酸球増多は完全に抑制されるが、IgE産生は部分的に抑制されるにとどまった。これはIgEと好酸球の反応がいずれもTh2細胞に依存するが、その機能発現にかかわる細胞間認識分子の差を示唆している。次にIgE抗体産生の2次応答に必要なT細胞の活性化について検討した。2次応答ではB細胞が抗原提示細胞と考えられ、1次応答の場合とは異なる条件が設定される。その結果はCD86が抗原刺激に加えて重要な細胞間認識分子で、これを阻害するとIgE抗体産生はほぼ完全に抑制される。しかしCD80は2次IgE抗体産生の細胞間認識分子としての役割を果たすことはできない。一般に細胞間認識分子は1次応答に強く関与し2次応答での関与は少ないと考えられていたが、この実験結果から2次応答における重要性が示唆された。
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