研究課題/領域番号 |
09670284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
片岡 佳子 徳島大学, 医学部, 助手 (40189303)
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研究分担者 |
有持 秀喜 徳島大学, 医学部, 教務員
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | HUS / Bacteroides fragilis / 病原性 / 腸管毒性 / 細胞毒性 / 溶血活性 / neuraminidase / 血中出現菌数 |
研究概要 |
腹痛、食欲不振、血液の混入した水様性便に引き続きHUSを発症した女児の便より分離同定したBacteroides fragilis TDP101株の病原性を検討し、以下の点を明らかにした。 1. B.fragilis TDP101株はウサギの小腸および乳のみマウスにおいて腸管毒性を示した。 2. B.fragilis TDP101株の無細胞抽出液はVero細胞およびHEL細胞に対して640倍および160倍希釈まで細胞毒性を示した。Vero毒素産生菌E.coli KY1101株の培養上清はどちらの細胞に対しても640倍希釈まで毒性を示したが、B.uniformis BU1001株は毒性を示さなかった。 3. B.fragilis TDP101株の培養上清はニワトリ、ウシ、ウサギ、ウマ、ヒツジの血球に対して弱い溶血活性を示した。 4. マウスにB.fragilis TDP101株の菌液を腹腔内投与したところ、溶血性貧血および血小板の減少が認められたが、腎機能不全は観察されなかった。菌液投与1日後では血中に菌が検出されたが、7日後には検出されなかった。 5. 非病原性でneuraminidase活性のないBacteroides uniformis BU1001株にB.fragilisのneuraminidase遺伝子nanHをクローン化したプラスミドpKK105を導入し、マウスに腹腔内投与した。ベクターコントロールに比べてB.uniformis BU1001(pKK105)株投与群では血中に出現する菌数が増加し、菌の検出される日数が延びた。B.uniformis BU1001(pKK105)株はB.fragilis TDP101株と同程度のneuraminidase活性を有していたが、Vero細胞に対する細胞毒性は示さなかった。
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