研究課題/領域番号 |
09670294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
増澤 俊幸 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10181645)
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研究分担者 |
柳原 保武 フィリピン大学, 公衆衛生学部, 客員教授
三宅 正紀 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (00295560)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | ライム病 / ボレリア / 病原因子 / 接着因子 / スフィンゴ糖脂質 / ガラクトシルセラミド / Borrelia burgdorferi / グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素 |
研究概要 |
ライム病ボレリアの細胞接着因子の存在を明らかにした。神経ボレリア症の発症機構解明のため神経細胞に広く存在するスフィンゴ糖脂質に対するライム病ボレリアの接着性をTLC結合試験法により調べた。ガングリオシドやスルファチドに比べ、中性糖脂質のガラクトシルセラミド(GalCer)に最も高い結合性を示すこと、この接着性が病原性と相関することを明らかにした。GalCerのガラクトースの3位に硫酸基を有するスルファチドに対して殆ど結合せず、脱アシルしたlysoGalCer、過ヨウ素酸処理したGalCerにも結合しないことから、セラミドの脂肪酸部分及び糖が結合に関与していることを明らかにした。スフィンゴ糖脂質結合蛋白質(glycosphingolipid-binding protein,Gbp)の性状解析の目的でボレリアを大量培養し、ブタノール-水分配、並びにTritonX-114相分離法による表層蛋白質の分画を行った。ついで、各画分を電気泳動した後、膜ブロットを行い、水相画分中にビオチン化GalCerと反応する37kDa蛋白質(Gbp37)と67kDa蛋白質(Gbp67)を検出した。各蛋白質の気相シークエンサーによるN末端アミノ酸配列解析とホモロジー検索により、それぞれグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(GAPDH)ホモローグ、熱ショック蛋白質68(Hsp68)と相同性が高いことを明らかにした。B.burgdorferis.s.297株gapdhホモローグのプロモーター領域を含む1.2kbのPCR増幅産物をpGEM-Tベクターに組み込み、抗Gbp37抗血清と反応する形質転換体3クローンを得た。これら組換え体クローンはGalCerに対するTLC結合試験において対照の大腸菌よりも高い結合能を示し、ボレリアのGAPDHホモローグがGbpであることを明らかにした。
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