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1998 年度 実績報告書

プロテアーゼ活性を持つOprDポーリングの分子構造とOprDと相同なポーリンの発見

研究課題

研究課題/領域番号 09670299
研究機関東海大学

研究代表者

良原 栄策  東海大学, 医学部, 助教授 (70167063)

キーワード緑膿菌 / ポーリン / プロテアーゼ / OprD / 触媒基 / 部位特異的変異 / OprE3 / 塩基配列
研究概要

近年、細菌感染症が再び大きな問題となっている。多くの抗生剤に耐性な病原細菌が数多く出現し、その治療が困難となっているからである。その中に院内感染の主要起因菌である緑膿菌がある。緑膿菌の多剤耐性は、外膜の高い透過障壁性と薬剤排出系の協同作用の結果である。外膜の障壁性は、緑膿菌のポーリン孔のサイズが小さいことに由来することを明らかにして来た。またポーリンタンパクの一つであるOprDは、プロテアーゼ活性も併せもつという事を発見した。このようにユニークなOprDの構造と機能に関して大きな興味が持たれた。そこで以下の研究を行い成果を得た。
(1) OprDとセリンプロテアーゼのアミノ酸配列の比較から、OprDプロテアーゼのHis156、Asp208及びSer296が触媒基と推定された。そこでこれらアミノ酸を変異させ、そのプロテアーゼ活性を調べた。その結果これら変異タンパクで活性が失われていることが明らかとなった。
(2) 次にこれ以外のアミノ酸に変異を導入し、そのプロテアーゼ活性を調べた。その結果このような変異ではプロテアーゼ活性に変化のないことが分かった。以上の結果はOprDポーリンはプロテアーゼ活性を併せ持つ多機能膜タンパクである事を証明する。
(3) X線結晶解析法によりOprDの立体構造を解明するため、タンパクの結晶化を行った。キャピラリー法でタンパクを結晶化できたが、さらに良質の結晶を調製するため、詳細な結晶化条件を検討する。
(4) OprDに対するモノクローナル抗体と交叉反応を示す外膜タンパクOprE3を精製し、再構成系を用いて調べた結果、OprE3はポーリンである事が分かった。
(5) OprE3遺伝子をクローニングし、その全塩基配列を決定した。その結果OprE3はOprDと高い相同性を有することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] E.Yoshihara et al.: "Indentitication of the catalytic triad of the protein D2 protease in Pseudomonas aeruginosa." Biochem.Biophys.Res.Commun.247. 142-145 (1998)

  • [文献書誌] K.Okamoto et al.: "Molecular cloning and characterization of the opr Q gene coding for the outer membrane protein OprE3 of Pseudomonas aeruginosa." Microbiol.Immunol.(in press). (1999)

  • [文献書誌] 中江 太治 編: "生物学と医学をつなぐ分子細胞生物学" 丸善株式会社, 302 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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