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1997 年度 実績報告書

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のNefタンパクの構造と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670308
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

木村 透  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50280962)

キーワードHIV / AIDS / Nef / SH3ドメイン / Nef結合因子 / 活性化T細胞
研究概要

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスである。HIVがもつnef遺伝子は、様々な動物実験系でウイルスの増殖、病原性に重要な役割を果たしていることが示されている。ウイルス増殖を増強する活性は、in vitro培養系でも認められる。更に、in vitro培養系では、CD4やMHCクラスのendocytosisを誘導する活性や細胞の活性化状態を変える活性を示し、標的である免疫細胞の機能を変化させることでウイルス増殖や病原性に関与すると考えられている。このような現象面の知見の蓄積に対し、どのような機構でこれらの現象がおこるのかについては不明の点が多く、本研究の目的はその分子機構を解明することである。
(1)培養細胞系で、Nefタンパクのブロリンに富んだ領域がウイルスの感染性に重要であり、HckなどのチロシンキナーゼのSH3ドメインと結合することが示されている。Nefが他のSH3ドメインをもつシグナル伝達に関与する分子と相互作用するか検討したところ、他のタンパク由来のSH3ドメインとは結合せず、HckのSH3ドメインとNefの結合が非常に特異的であることが明らかになった。
(2)yeast two hybrd法により、Hck,chaperoninをはじめ新規のNef結合因子を同定、cDNAを単離した。pull-down assayでも結合を確認し、現在Nefの諸機能との関連を検討中である。
(3)共同研究により、Nefが抹消活性化T細胞でのウイルスの増殖を増強することが始めて明らかとなった。活性化T細胞でのウイルス増殖の増強には上述のブロリンに富んだ領域ではなく、酸性に富んだ領域やセリン・トレオニンキナーゼとの結合が重要であることが変異体を用いた解析から示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] J.Penninger et al.: "The interferon regulatory transcription factor IRF-1 controls positive and negative selection of CD8^+ thymocytes." Immunity. 7. 243-254 (1997)

  • [文献書誌] Y.Kawano et al.: "Mutational analysis of human immunodeficiency virus type 1(HIV-1)accessory genes:requirement of a site in the nef gene for HIV-1 replication in activated CD4^+ T Cells in vitro and in vivo." J.Virol.71. 8456-8566 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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