1. NP蛋白同士の結合にどの領域が必要かを調べるために全長のNP蛋白とNP蛋白のいろいろなmutants蛋白を発現させ、免疫沈降法で調べた。その結果、N末より294アミノ酸の領域全体がNP蛋白同士の結合に必要であることが解った。 2. P蛋白上のNP蛋白との結合領域は既に明らかにしたようにN末側とC末側2カ所ある。P蛋白のN末側の結合領域のみを含むmutantP蛋白とNP蛋白の結合、C末側の結合領域のみを含むmutant P蛋白とNP蛋白の結合と分けて各々のP蛋白の結合領域と結合するNP蛋白上の結合領域を検討した。P蛋白のN末側の結合領域はNP蛋白の402-494アミノ掖の領域と、C末側の結合領域はNP蛋白の294-401アミノ酸の領域と結合するという結果になった。 3. 今までV蛋白に対する特異的なモノクローナル抗体は持っていなかった。V蛋白について更に解析をしていくためにはどうしてもV蛋白に対するモノクローナル抗体が必要である。そのため大腸菌でV蛋白を大量に発現させ、それを精製しマウスに免疫することによってV蛋白に対するモノクローナル抗体を作製した。これらを使ってV蛋白の感染細胞内での分布を調べることができた。 4. NP、P、V蛋白とRNAとの結合をNorthwestern blot assayで調べた。NP蛋白は中央部の201-307アミノ酸の領域で、P蛋白とV蛋白の共通領域ではN末より82アミノ酸の領域で、P蛋白特異的な領域では249-354アミノ酸の領域で、V蛋白特異的な領域では176-225アミノ酸の領域でRNAと結合していることが明らかになった。
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