野生マウスにはFv-4と呼ばれるレトロウイルスの感染に対する抵抗性遺伝子の存在が知られている。この遺伝子は、in vivoにおいて抵抗性は非常に強いが、in vitroでは不完全抵抗性である。 Fv-4遺伝子はマウスレトロウイルスのenv-gene様の産物を作り、レトロウイルスに対するマウスのレセプターをブロックすることにより作用すると考えられている。しかし、マウスには多くのenv-gene様内在性遺伝子が存在することにもかかわらず、なぜFv-4geneのみが抵抗性を賦与する活性があるのか依然として全く明らかではない。我々の当研究課題では、Fv-4遺伝子機能発現における免疫の関与を明らかにすることを目標に以下の研究を行った。 1)Fv-4 geneを持つマウスのFriendマウス白血病ウイルス抵抗性における宿主免疫機能関与の実態の解析をした。 2)細胞性免疫能を欠くnudeマウスにおいて、Fv-4 geneの機能発現の検討をした。 3)免疫抑制剤FK506投与によるFv-4抵抗性発現への影響 Fv-4による抵抗性発現に宿主の免疫能が関与しているかどうかを検討する一環として、免疫抑制剤(FK506)を投与したFv-4^<r/r>マウスにFriendウイルスを感染させ、その感受性の変化を調べた。
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