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1998 年度 実績報告書

潜伏サイトメガロウイルス再活性化における一酸化窒素の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09670319
研究機関東海大学

研究代表者

古賀 泰裕  東海大学, 医学部, 教授 (60170221)

キーワードcytomegalovirus / graft-versus-host reaction / reactivation / MCMV-DNA / iNOS / NO / latent infection / lung
研究概要

(C3H/HeXBALB/c)Flマウスに0.2LD_<50>のマウスサイトメガロウイルス(MCMV)を腹腔内接種し5週間後に唾液腺、牌、肝、肺、心を採取しMCMVゲノムの存在をPCR法により調べた。プライマーはIE領域遺伝子の塩基配列より作成した。その結果、唾液腺においてのみ潜伏MCMVゲノムが検出できた。すなわちMCMV潜伏感染の状態になっていることがわかった。graft-versus host reaction(GVHR)は臨床ではCMV再活性化の危険因子となることが知られているので、このマウスの系でもGVHRを誘導した。MCMVに潜伏感染となったF1マウスに非感染BALA/cマウスの脾細胞を静注で移入しGVHRを起こさせたところ、移入4〜6週間後において肺、心、肝で潜伏MCMVゲノムのコピー数の増加が認められた。しかしそれらDNAゲノムから転写されたmRNAは上記のいずれの臓器でも検出できなかった。
GVHRにより潜伏MCMV-DNAゲノムの増加が生じたこれら肺、心ではiNOS発現量も有意に増加していることが、RNA-PCRを用いた測定により明らかとなった。すなわちiNOSにより産生されるNO(一酸化窒素)がGVHRの際のMCMV-DNAゲノムのコピー数の増加を調節している可能性が示唆された。この事を確かめるために、NOの基質であるL-arginineを、GVHRを生じているマウスに投与して体内でのNO産生量を上昇させたところ、予想通りMCMVゲノムも増加した。逆にiNOS阻害剤であるPBNを投与してマウス体内のNOレベルを下げておくと、今度はMCMVゲノムはGVHRによっても全く増加しなくなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Mori,T et al: "Fas-mediated apoptosis of the hematopoietic progenitor cells in mice infected with murine cytomegalovirus" Blood. 89. 3565-3573 (1997)

  • [文献書誌] Tanaka,K et al: "Nitric oxide mediates murine cytomegalovirus-associated pneumonitis in lungs that are free of the virus" Journal of Clinical Investigation. 100. 1822-1830 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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