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1999 年度 実績報告書

IL-8産生とIL-8によるサイトメガロウイルス複製に関する分子制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09670320
研究機関鹿児島大学

研究代表者

村山 次哉  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60159184)

キーワードサイトメガロウイルス / IL-8 / ルシフェラーゼ発現ベクター / ゲルシフトアッセイ / U373MG細胞
研究概要

本年度の研究実績は、これまでに樹立したサイトメガロウイルス(CMV)の前初期遺伝子産物(IE1,IE2)をパーマネントに発現するAstrocytoma由来U373MG細胞株を用い、IL-8産生に関与するCMV遺伝子に関する研究を行った。
これまでの検討から、各細胞株のIL-8蛋白産生性はIE1細胞株が最大であった。この株のIE1発現細胞とIL-8産生細胞が同一細胞である事を免疫染色により明らかにし、さらにはIL-8遺伝子上流域の各種転写部位を有するルシフェラーゼ発現ベクターをこれらの細胞へ遺伝子導入し比較検討したところ、IE1細胞株がIL-8遺伝子発現に関与しており、特にNF-kBとAP-1転写活性部位を特異的に活性化することが示された。今回、ウエスターンブロット法による解析から、IE1細胞株においてNF-kBーp65抗体と反応する蛋白は、細胞質画分では僅であるが核内画分において増加しているのが明らかとされた。また、ゲルシフトアッセイにより、NF-kBと特異的に結合する核内蛋白は、IE2細胞株と比較してIE1細胞株の方が強いことが見い出された。以上の事から、IL-8産生に関与するCMV遺伝子のうち、少なくともIE1部位の関与が明らかであり、その機序としてNF-kBとAP-1転写部位の活性化によることが考えられた。今後この機序の詳細をさらに明確にすると共に、これらの全体像を明らかにする為に、IE1遺伝子欠損CMVを作成し検討していく予定である。これらの知見の一部は、第14回ヘルペスウイルス研究会(福岡)および第47回日本ウイルス学会総会(横浜)において発表された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] T.Murayama,et al.: "Human cytomegalovirus induces interleukin-8......"J.Virol.. 71. 5692-5695 (1997)

  • [文献書誌] K.S.A.Khabar,et al.: "Interleukin-8 selectively enhances cytopathic effect....."Biochem.Biophis.Res.Commun.. 235. 774-778 (1997)

  • [文献書誌] K.S.A.Khabar,et al.: "The α chemokine,interleukin-8,inhibits the....."J.Exp.Med.. 186. 1077-1085 (1997)

  • [文献書誌] 村山次哉: "ヒトサイトメガロウイルス感染とケモカインの相互作用"日本臨床. 56. 69-74 (1998)

  • [文献書誌] T.Murayama,et al.: "Potential involvement of IL-8 in the pathogenesis of....."J.Leukoc.Biol.. 64. 62-67 (1998)

  • [文献書誌] 村山次哉: "ヘルペスウイルスとケモカイン"血液・免疫・腫瘍. 3. 91-95 (1998)

  • [文献書誌] 向田直史、村山次哉: "インターロイキン8の遺伝子発現調節機構"臨床病理. 46. 821-828 (1998)

  • [文献書誌] H.Sadanari et al.: "The effect of cyclic AMP on expression of the major....."Arch.Virol.. 144. 1015-1025 (1999)

  • [文献書誌] 向田直史、村山次哉: "Biodefenceシリーズ3、異物認識と生体反応ー新しい視点を求めてー"日本生体防御学会、岡田秀親編集、菜根出版刊. 332 (1992)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2012-11-21  

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