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1997 年度 実績報告書

T細胞受容体シグナル伝達に関わる新規シグナル伝達アダプター分子“STAM"の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09670327
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

田中 伸幸  東北大学, 医学部, 助手 (60280872)

キーワードT細胞受容体 / STAM / チロシンキナーゼ / IL-2プロモーター / シグナル伝達
研究概要

T細胞活性化には特異的抗原によるT細胞受容体(TCR)を介したシグナル伝達およびCD28等のT細胞表面抗原を介するシグナル伝達が必須である。これらの各シグナル伝達にはチロシンキナーゼが関与することが明らかとなっているが、その基質となり細胞増殖にいたる経路には不明な点も多い。我々はチロシンキナーゼの基質となり、IL-2,GM-CSFを初めとするサイトカインシグナル伝達に関与し、c-myc誘導および細胞増殖に必須な新規アダプター分子STAMを同定した。本研究ではTCRを介するシグナル伝達におけるSTAMの関与を検討した。ヒトT細胞株Jurkatを抗CD3単クロン抗体OKT3でインキュベートしたのち、2次抗体で架橋刺激を行い刺激前後の細胞を可溶化した後、抗STAM単クロン抗体TUS-1で免疫沈降しチロシンリン酸化を検討した。その結果、TCR刺激後STAMの強いチロシンリン酸化が観察された。STAMのチロシンリン酸化の経時的変化では少なくとも5分後からリン酸化が認められた。すでにJak3とJak2がSTAMに会合することが明らかとなっており、TCR刺激後これらのキナーゼがチロシンリン酸化することがわかった。さらに、COS7細胞を用いた強制発現系では、過剰発現下ではSrcファミリーおよびZAP-70によってもSTAMがチロシンリン酸化することが示唆された。一方でTCR刺激によるIL-2プロモーターの活性化にSTAMがどのように関与するかを、野生型およびSTAMの変異体を強制発現させた系で解析したところ、野生型STAMはIL-2プロモーターの強い活性化を示したが、SH3領域欠損STAMはこの反応が認められなかった。以上より、TCRを介したシグナル伝達にSTAMが関与し、シグナル伝達にはSH3領域が必須であることが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 浅尾 裕信ら: "Hrs is associated with STAM,a signal transducing adaptor molecule" The Journal of Biological Chemistry. 272(vol) No52. 32785-32791 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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