本研究では、我々がすでにサイトカイン共通受容体γC鎖に会合するJak3チロシンキナーゼによってリン酸化を受ける新規分子として同定単離した「STAM」の機能について解析した。STAMはJak3やJak2チロシンキナーゼに直接会合し、IL-2やGM-CSFによる細胞増殖ならびにc-myc発現誘導への細胞内ジグナル伝達において重要な役割を担っていることが分かった。さらに、STAMはTCRシグナル伝達に必須な分子であるSLP-76にも会合することを証明した。さらに、STAMには新規分子であるAMSHが会合し、AMSHにはGrb2ファミリーの新たな分子であるGrf40が会合することが分かった。Grf40もまたSLP-76やLATに会合し、TCRシグナル伝達に重要に関わっていることが示唆された。これらの結果は、STAMを介するシグナル伝達経路におけるサイトカインとTCRのクロストークの存在を示唆ものである。
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