研究課題/領域番号 |
09670359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
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研究分担者 |
江副 智子 大阪大学, 医学部, 助手 (40232954)
丸山 総一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (70219567)
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 講師 (00188161)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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キーワード | アルデヒド脱水素酵素 / アルコール / 飲酒 / アセトアルデヒド / 遺伝子型 / 多型 / ライフスタイル / 健康指標 |
研究概要 |
アセトアルデヒドは、エタノール中間代謝産物であるが、非常に活性が高く、容易にDNAおよび蛋白質等と反応し、様々な生体反応を生じる。従って、飲酒行動等の環境要因によるアセトアルデヒドへの生体内曝露指標の開発は重要な課題である。我々は、本研究においてアセトアルデヒドのヘモグロビン付加体重(HbAA)の測定方法を検討し、日本人集団への応用を試みた。HPLCと蛍光検出器の組み合わせにより、アセトアルデヒド由来の蛍光物質を極めて高感度に検出可能になった。ボランティアにおいて、一定量のエタノール飲酒後のHbAAの増加を測定したところ、アルコール感受性の高いヘテロ型では、通常型ホモにくらべて明らかに大きな増加が観察された。同様の方法を用いて、職域集団において検診時の付加体重を測定したところ、やはりヘテロ型は通常の型ホモにくらべて、過去2日間の飲酒量と比例して、HbAAの増加が見られることが示された。さらに、日頃の習慣的な飲酒量を加えて、重回帰分析を行った所、ヘテロ型では、過去2日間の飲酒量に加えて、習慣的な飲酒量もHbAAに寄与していることが判明した。この遺伝子型においては、過度の飲酒を連日続けると、生体内にアセトアルデヒドが蓄積することを意味しており、ヘルスプロモーションを進めていく上で重要な示唆を与えるものと思われる。今後は、この付加体重と、問題飲酒行動や検診データ等の他の健康指標との相関を検討し、また飲酒関連性の健康破綻との関連を検討することにより、付加体重の健康指標としての意義を探っていく予定である。
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