研究概要 |
非神経毒化学物質混合投与による2,5-ヘキサンジオンの神経毒性増強機構に関する研究について、計画通り完成した。メタボルカ フリームービングカニュレーション装置を用いて、ラット2,5-ヘキサンジオン単独及びメチルエチルケットン、アセトン、トルエンとの混合投与して、ラットの血清、胆汁、尿、糞、肝臓、肺臓、腎臓、脳及び坐骨神経中の2,5-ヘキサンジオン濃度を測定し、実験動物における体内の2,5-ヘキサンジオン体内動態を計算した。同時に肝臓、肺臓のミイクロゾムp450酵素により2,5-ヘキサンジオンの代謝能力の測定を行った。研究の結果、メチルエチルケトン、アセトンとの混合投与は2,5-ヘキサンジオンの体内動態に影響を与え、体内から2,5-ヘキサンジオンのクリアランスが著しく減少することを明らかにした。これらの体内動態の異常により、神経及び脳内の2,5-ヘキサンジオン濃度が高くなり、従って2,5-ヘキサンジオンの神経毒性は強くなると推測された。この2,5-ヘキサンジオンの体内動態の変化の機構は、混合暴露により、肝臓の2,5-ヘキサンジオンに対する代謝能力の低下によると考えられる。これらの結論の一部は既にJournal of Occupational Health,International Achieves of Occupational and Environmental Health,及びNeurochemical Researchに発表した。
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