研究概要 |
本年度は東京都内および千葉県内の小中学生約1,000名、東京都内の高校生約800名、東京都内の女子大学生約600名について超音波法による骨量測定を行い、同時に質問紙による食事・運動など日常生活に関する調査を行った。なお千葉県の小中学生については、昨年度の対象者の継続調査である。小中学生については放射線を使用する測定機器の使用が困難なため、超音波法による測定結果を積み上げることは、成長期の健康を考えるうえでは有意義であると考える。同一人について継続したデータが得られているので、とくに骨量と発育スパートとの関連を検討するつもりである。昨年度調査分の予備的なまとめとして、小学生と女子大生の骨量変動が身体条件や日常生活要因とどのような関連をもつかについての分析を行い、第7回日本骨粗鬆症研究会などで報告した。小学生ではBMIが高く、屋外での遊びやスポーツ活動「あり」の子供に骨量が多いことが、また女子大生においてはBMIと牛乳摂取頻度の高い者に骨量が多いことが示された。どちらもBMIという体格指数が関連をしめすことは興味深い。昨年来より地域での中高齢女性を対象とした測定を企画し協力していただけるところを探しているが、現在までのところ困難な状況にある。また当初予定していた骨代謝マーカーの測定も、血液・尿サンプルの採取について実施主体の理解がなかなか得られず今日に至っている。骨量の変動における遺伝と環境要因の分析に関しては、小中学生の兄弟姉妹間のデータが200例ほど収集できたので、これらをもとにして現在分析方法を構築中である。
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