研究概要 |
先天異常,悪性腫瘍,加齢,免疫異常の相関を解明してゆくことは、バーネットが提唱しているように基礎医学ならびに臨床医学の重要課題の一つといえる。染色体異常は、それ自体量的に把握することのできる遺伝物質の変化であり、発がん機構とも関連が深い。一方、環境要因の人体影響に遺伝的要因がどのように関与しているかの研究は、DNA損傷とその結果としての突然変異、およびがんについての解明が進みつつある。そこで、本研究では、染色体異常を伴う先天異常があり、特異な免疫異常をもち、老化も早い(遺伝性)高発がん疾患群の患児集団由来の細胞の代表として、ダウン症由来細胞を用いて検討した。(1)blue lightとgreen lightによる環境因子曝露の影響を末梢リンパ球の染色体異常,姉妹染色分体交換(SCE),細胞分裂能で検討し、正常細胞よりダウン症由来細胞に高感受性を観察した。またマウスモデルを用いた検討では、(2)同一環境曝露によっても遺伝的背景の違いにより個体の反応性の異なることを観察した。
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