研究概要 |
平成9年9月よりいくつかの検診対象候補地区の役場と交渉を開始し、千葉県 安房郡 富浦町と千葉県長生郡長生村の2町村で車載型らせんCTによる胸部一次検診の実施を計画した。10月に役場等と最終的な打ち合わせを行い,11月から平成10年1月末までの間に延べ28日間CT撮影を行った。なお,読影所見用紙はまず昨年度までに二次検診に用いていたものを踏襲し,読影方法に応じてそれを改善していくことにした。これまで経過およびその成果は以下のとおりである。 (1)両町村とも50歳以上人口は約3.000人であり、らせんCT検診希望者は共に約800人,そして実際に受診した者は富浦町782人,長生村765人であった。 (2)受け付けから撮影終了までに混乱・苦情はなく,初めてCT検診を受診する者が殆どであったが集団検診として成り立つと考えられた。 (3)CTは車内のCRTで読影できるが、その読影結果は,車内ではよほどの異常がなければ被験者に伝えないようにし,MOにて持ち帰った画像データを保健管理センターまたは結核予防会千葉県支部内のCRTにてダブルチェックする方式をとった。さらに2名の読影医の両方またはいずれか1人が異常ありとした症例の画像は後日読影医全員(10名)で合同判定をすることにした。なお、判定基準は従来の肺癌検診で用いられているものを本検診ように改変した。 (4)E判定すなわち肺癌の疑いとされた率は富浦町で2.9%,長生村で5.6%であった。E判定に該当した受験者には役場からその旨を報告していただいた。医療機関での精密検査は進行中である。
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