研究概要 |
I.対象の収集:関東在住の5年前の骨塩量測走に参加した50組の双生児(一卵性、二卵性)に対して生活習慣等のアンケート調査を実施し、現在集計中である。また、山梨県在住の新たな双生児50組の収集を目指して募集中であるが、現在のところ数組が登録されているのみである。 II.ゲノムDNAの抽出:収集した対象者の末梢血白血球よりフェノール抽出法によりPCRの鋳型としてのゲノムDNAを拙出は終了した。 III.遺伝子多型の観察:今回は関連分析の結果を示す。エストロゲン受容体遺伝子多型(PvuII,XbaI.繰り返し配列)、ビタミンD遺伝子多型(BsmI,ApaIおよびTaqI)を観察した。結果はANOVA分析により1992年、1993年ともに骨密度はVDR遺伝子多型と有意な関係を示した。両測定ともに対立遺伝子Bのホモ接合体の骨密度が対立遺伝子bのホモ接合体の骨密度より低く、ヘテロ接合体はその中間の値であった。骨密度変化率はBB、Bb、bbの順に減少率が大きく、有意差を認めた。PvuII遺伝子多型は有意差はないもののPPの骨密度が高値で、Pp、ppの順に骨密度が低くなっていった。また、ビタミンD受容体遺伝子多型や体重、年齢などで調整した骨密度では有意にその関連を認めた(図2-1)。XbaIではXXが他の遺伝子型に比べて骨密度が高く、ANOVAで有意差を示した(ビタミンD受容体遺伝子多型、体重、年齢での補正した骨密度との関連は図2-2)。さらに、ハプロタイプではPPXX型が他の遺伝子型に比べて有為に骨密度が高くなっていた。オステオカルシン遺伝子はその遺伝子を約300bpに分けた断片によるPCR-SSCP方により見いだした遺伝子多型(奈良県立医大土肥祥子先生)を用い、骨密度との関連を検討した。オステオカルシン遺伝子多型と骨密度との関連は見いだせなかった。さらに対象を集め、連鎖分析を行う予定である。
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