免疫便潜血検査による大腸がん検診の有効性および精度評価に関する研究

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09670384
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 研究機関: 信州大学
• 研究代表者: 仲間 秀典 信州大学, 医学部, 助教授 (50207859)
• キーワード: 大腸がん検診 / 免疫便潜血検査 / 疫学的評価 / 時系列研究 / 標準化死亡比 / 診断精度 / 偽陰性 / 大腸ポリベクトミ-

研究概要

本研究の目的は大腸がん検診の有効性の立証および免疫便潜血検査と大腸内視鏡検査の精度評価にあり、その検討にあたっては長野県A村の大腸がん検診の成績および同村の大腸がんの罹患と死亡に関する統計を活用する。この大腸がん検診は1982年より継続しており、まず便潜血検査によりスクリーニングを行い、要精検者には全大腸内視鏡検査を実施している。15年間の平均受診率は57%で、大腸がんおよび大腸ポリ-プはそれぞれ受診者の0.15%、0.92%に発見されている。
平成9年度は保健医療に関する同村の独自資料、死亡票、病院カルテなどを通して、同村における大腸がんの罹患者と死亡者の全員を確認し、平成10年度以降に検討する3つの課題、すなわち(1)大腸がん検診の有効性に関する症例対照研究(同村の大腸がん死亡者を症例とし、同地区居住者で性・年齢などをマッチさせた対照を選定して、それぞれの検診受診歴の有無を確認し、matched pair analysisによりオッズ比を算出して、検診受診者は未受診者に比べ大腸がん死亡が少ないことを示す)、(2)大腸ポリ-プ切除による大腸がん罹患減少効果(検診実施前より実施後で大腸がん標準化罹患比が低下していることを示す)、(3)大腸がん検診のスクリーニングおよび精密検査の精度評価(同村の大腸がん罹患者全員について、その大腸がん検診受診歴[便潜血検査および大腸内視鏡検査]を検診ファイルと照合することにより、スクリーニングおよび精密検査の診断精度を評定する)に関する基礎データを集積した。

研究成果

• [文献書誌] Nakama H, et al.: "Relationship between fecal sampling times and sonsitivity and specificity of immunochemical fecal occult blood test for colorectal cancer" Dis Colon Rectum. 40. 781-784 (1997)
• [文献書誌] Nakama H, et al.: "Detection rate of immunochemical fecal occult blood test for colorectal adenomatons polyps with severe dysplasia" J Gastroenterol. 32. 492-495 (1997)
• [文献書誌] Nakama H, et al.: "Immunochemical fecal occult blood test is not suitable for diagnesis of hemonboids" Am J Med. 102. 551-554 (1997)
• [文献書誌] Fattah ASMA. Nakama H, et al.: "Diagnestic value of immunochemical fecal occult blood test for small colorectal neoplasms" Eur J Med Res. 2. 227-230 (1997)
• [文献書誌] Fattah ASMA. Nakama H, et al.: "Clinico-pathological featurcs of colorectal adenomstors polyps with negative usults on immunochemical fecal occult blood test"