研究概要 |
最終年度である本年度では,これまでの研究の総括として小学校児童を対象とした歯科健康教育の到達目標を設定した。その概要は次のとおりである。 低学年(1,2年生)では,「自分の磨き方を確かめながら歯磨きができる」「歯の萌出時期に合わせた歯口清掃行動ができる」「受診等を利用し,第一大臼歯のむし歯予防に留意することができる」他。中学年(3,4年生)では「萌出したての歯に留意して,磨き残しがないような歯口清掃技術を身につける」「歯によい食品を進んで摂る,また左右両方の歯でゆっくりとよく噛む」「自分の健康を意識したおやつの選択(量や摂る時間など)ができる」他。高学年(5,6年生)では「プラークコントロールができるような歯口清掃技術を身につける」「おやつの内容を考えた適切な摂食行動がとれる」「自分の口腔内の様子を把握し,進んで歯科医へ行くことができる」他。 以上の小学校児童の到達目標は,生態的なことに加えてより児童の実態に基づいた児童が取り組みやすいものであると考える。また養護教諭を対象とした歯科保健指導の問題点に関する調査の分析から,地域・家庭・学校との連携が不可欠であること,しかし実際には多くの障害があることなどを明らかにした。これらの結果に基づいて,米国の包括的学校保健プログラムを参考に,新たな包括的学校歯科健康教育プログラムの提示を試みた。
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