研究課題/領域番号 |
09670392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
原田 規章 山口大学, 医学部, 教授 (70116747)
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研究分担者 |
中本 稔 山口大学, 医学部, 講師 (20227961)
岩本 美江子 山口大学, 医学部, 講師 (80034932)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 手腕振動症候群 / 寒冷ストレス / 情動ストレス / 自律神経 / 副腎髄質 / カテコールアミン / PF4 / β-TG |
研究概要 |
本研究は手腕振動症候群患者におけるストレス感受性の亢進をもたらす要因と機序、その評価方法を明らかにすることを目的とした。 冷水負荷試験に与える季節、食事要因に関する基礎的検討を行った。夏季は手指皮膚温が有意に高く、冬季は食後が有意に高い皮膚温を示した。冷水浸漬中、夏季ではLF/HFが食後で空腹時よりも高く、冬季ではLF、HFが高い傾向であった。 一側手冷水浸漬試験における10℃10分法と15℃3分法を、手腕振動症候群患者と健常被験者で比較検討した。現在、夏季における手指皮膚温のデータのみが集計されている。10℃10分法では有意差が見られたのに対し、15℃3分法では有意差が認められなかった。 手腕振動症候群患者と健常被験者を対象に、情動ストレス負荷による心拍変動、血漿中PF4、β-TG、cAMPの変化を検討した。心電図R-R間隔変動は負荷後にレイノー症状を有しない患者で有意に低い値を示し、レイノー症状を有する患者では負荷前の血漿中PF4が有意に高い値を示した。 同様に、情動ストレス負荷試験における心拍変動、尿中カテコールアミンの変化を検討した。自発呼吸時と深呼吸負荷時とも、LF成分とLF/HF成分が手腕振動障害患者で有意に高いこと、尿中ノルエピネフリンおよびエピネフリンが特にレイノー症状を有する患者で情動ストレス負荷後に有意に高値を示すことが認められた。 今回の研究から手腕振動障害患者では寒冷ストレス負荷のみならず情動ストレス負荷に対してもストレス感受性の亢進がみられることが確認された。本研究で検討された評価手法は増加するストレス関連疾患の予防研究に応用することができる。
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