研究概要 |
平成9年5月,文部省科学研究費支給の決定を受け,同年の秋までに質問票を完成し,主として札幌医科大学医学部第一外科学講座およびその関連病院の協力のもとに,胆嚢癌の病因に関する症例-対照研究を開始した. 食事の習慣(各種食品の摂取状況,食事の時間など),食事以外の生活習慣(生活のリズム,ストレスなど),家族歴(胆嚢癌を含む悪性腫瘍),既往歴(チフス菌感染を含む),生活歴(農薬の使用状況を含む)を主たる項目とする,のべ150項目以上にのぼる質問票を使用している.すべて自記式である. 当初の計画では,胆嚢癌に関する症例ー対照研究を実施する予定であったが,本疾患の症例の絶対数が予想外に少ないため,胆嚢癌の症例も含めて研究を行うこととした.平成10年初め現在,累積例数が多くないため,結論は出せないが,生活のリズムが不規則なもの,肉食を主体とする欧米型の食習慣,喫煙,胆石症の既往などが危険因子となる可能性があると思われる. 症例が診断された時点で得られている臨床的データの提供も併せて依頼しているが,血清コレステロールなどの,危険因子または予測因子としての役割も,今後検討する予定である.
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